車に付着する汚れの種類とは？汚れが付着するのを防ぐ手段についても解説

車は運転している最中はもちろんのこと、屋外の駐車場に停めているだけでもさまざまな汚れやダメージリスクに晒されています。そのため、汚れの種類を知りそれぞれに合った対策をすることは、ボディを美しい状態で維持するために欠かせないポイントです。そこでこの記事では、車に付着する汚れの種類、汚れが付着するのを防ぐ手段、ボディコーティングの特徴などについて解説します。

花粉

花粉の汚れには花粉そのものが堆積したものと、花粉が水に触れて粘着してシミ汚れとなるものの2種類があります。前者は軽い手入れで除去できますが、後者は中々落ちない汚れです。

花粉にはペクチンと呼ばれる粘着性のある成分が含まれており、水に触れると内部からペクチンが染み出し、さらに粘着性が高まって車に付着してしまいます。塗装内部まで染み込むと、表面に微細な凹凸ができることもあるため注意が必要な汚れです。

ペクチンは熱に弱い性質があるため、約50度のお湯をかけると簡単に除去できるので、花粉が車のボディについて汚れてしまった場合は、お湯で洗車することをおすすめします。

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鉄粉

ボディに乗った鉄粉が酸化して、錆びて塗装に食い込んでしまうのが鉄粉による汚れの仕組みです。鉄粉は車のディスクブレーキから発生するブレーキダスト、鉄道の車輪がレールと擦れることで発生する鉄粉、工場から排出される煤煙などさまざまなところから発生します。

除去方法としては、鉄粉除去用粘土や鉄粉除去剤などの使用が確実です。ただし、強くこすると塗装面を傷める原因になるので注意しましょう。

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黄砂

黄砂の粒子には石英や雲母、長石、方解石、石膏などが含まれています。鋭利な形状をしていて非常に硬く、水分を含むと粘土質になってボディに付着し、乾燥すると固着する性質を持っています。

黄砂の粒子が水気を含む前に水で洗い流せば比較的簡単に除去できます。また、乾燥してしまった後でも高圧洗浄機を使えば除去が可能です。鉄粉除去用粘土を用いたり、カーシャンプーで優しく洗い流したりするのも効果的です。

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水垢

ワックスが熱に晒されると溶け出して汚れを吸いながら広がり、またドアミラーの付け根部分などからグリースが染み出すと油性の水垢となります。

水垢対策としては洗車が一番ですが、時間が経ち汚れが固着すると除去が難しくなります。簡単に落ちないようであれば、無理にこすらずにお店にメンテナンスを依頼するのがおすすめです。

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シミ

洗車した後や雨に降られた後に水気を取らずにそのままにしておくと、白いシミが付いてしまうことがあります。これはイオンデポジット、ウォータースポットとも呼ばれ、水に含まれているカルシウムやナトリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラル、小さな埃、細かい油脂分などが混ざった汚れです。

水分が蒸発して不純物が白く残ったものをイオンデポジットと呼び、これがさらに進行してクレーター状になったものをウォータースポットと呼びます。

イオンデポジットであれば専用の除去剤で比較的容易に落とすことが可能です。一方のウォータースポットについては、除去剤で効果がなければ研磨により物理的に取り除く必要があるでしょう。

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ピッチタール

ピッチタールは、舗装したばかりの道路や真夏の強い直射日光に晒された道路を走行した際に、タイヤで跳ね上げて主に車体下部に付着するアスファルト由来の物質です。ピッチタールはガムが張り付くようにしてボディに付着します。

専用クリーナーで分解すれば比較的簡単に落ちますが、クリーナーは脱脂力が強いため、塗装面を傷つけないよう注意してください。

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塩害

車は塩害の影響を受けると錆びの進行が早まり、金属部品が劣化して故障の原因ともなる危険なものです。海に近い道路は、潮風によって運ばれた塩分が車に降りかかるため、錆びを招きやすい環境です。雪道を走行する場合も、塩化カルシウムや塩化ナトリウムを含んだ塩気のある融雪剤が錆びを誘発します。

海辺や雪道を走った後は、放置せずこまめに洗車することが大切です。とくに、錆びやすいパーツであるサスペンションなどは念入りに洗いましょう。

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鳥の糞・虫の死骸

鳥の糞はさまざまな化学物質を含んでおり、なかでも尿酸はタンパク質を含んだ窒素化合物で、非水溶性であることから白く結晶化することが知られています。尿酸は水に溶けないばかりでなく、アルコールにも溶けません。

また、虫の死骸は、多数のアミノ酸が結合してできたタンパク質やリン酸を主要素としています。アミノ酸は車の塗装面に対してそれほど害がないものの、リン酸は太陽からの光を受けて乾燥して濃度が高まると腐食性が高まります。

いずれの汚れもまずは洗車して除去し、固まってしまって落ちない場合には、クリーナーを使用してください。

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黄ばみ・白化

長期間車に乗っていると、走行環境によってはボディの黄ばみや白化が発生します。これは熱や紫外線の影響によるもので、樹脂系のコーティング剤を施してある部位に多発する現象です。最も発生しやすい部位がヘッドライトで、工場出荷時に施されているコーティング剤が徐々に剥がれていくことにより黄ばみや白化の原因となります。

また、ヘッドライトはポリカーボネートと呼ばれる樹脂材料で製造されており、それ自体も熱や紫外線によって黄ばみや白化が発生する原因の一つです。ヘッドライトを黄ばんだ状態で放置しておくと照度が落ちて夜間の視認性が悪くなり、車検にも通らなくなる可能性があります。

黄ばみ・白化に対しては、ボディやヘッドライトをコーティングで保護するのが最も有効な対策です。

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こまめな洗車

汚れ対策として最も基本的なことはこまめな洗車です。車の汚れはその多くが時間の経過と共に固着しやすい性質を持ちますが、こまめに洗車することにより汚れが取れなくなる前に除去できます。

ただし、洗車するときは天候に注意しましょう。洗車に最も適した天候の日は、風のない曇りの日です。気温が高く晴れた日の洗車は、水分の蒸発が早くなってシミの原因となってしまいます。

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ボディコーティングの施工

ボディコーティングには、コーティング剤が薄い膜を形成して塗装面を保護する効果があり、スクラッチ傷が付きにくく、塗装の色褪せを防いで美観を長期にわたって維持できます。

また、汚れが塗装面に付着して固着することを防止し、洗車の労力を減らせることも大きなメリットです。

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1.洗車

洗車はボディコーティングする際の最も基礎になる作業であり、念入りに行うことを心掛けましょう。砂、埃、鉄粉、汚れなどが残っている状態でボディコーティングするとその部分だけがムラになってしまう恐れがあります。

塗装面のパネル間やエンブレムの周りにこびりついた汚れ、黒ずみを除去する細部洗浄も欠かさずに行いましょう。

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2.鉄粉除去

鉄粉が塗装面に残っているとコーティング剤の密着性が低下してしまうため、丁寧に取り除いてください。

鉄粉除去の方法は、まず、鉄粉除去剤をボディ全体に噴霧して数分間放置します。しばらくすると鉄粉除去剤が鉄や錆と化学反応を起こして紫色に変色し、鉄粉が取れやすい状態になります。その後はスポンジなどで汚れを落とし、鉄粉除去剤が残らないようしっかり洗い流してください。

次に、鉄粉取り用の粘土で鉄粉をこすっていく作業です。力を入れると細かいひっかき傷の原因となるため優しくこすり、鉄粉を取り除いたあとはしっかりと洗い流しましょう。

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3.脱脂処理

脱脂処理は、塗装面の油分や前処理段階で残った研磨剤や溶剤などの余剰成分を除去し、コーティング被膜と塗装面との密着性を高めるために行う作業です。

まず、アルコール系の脱脂剤をマイクロファイバークロスに染み込むように含ませ、塗装面に均等に広がるように塗布していきます。その後は、別の新しいマイクロファイバークロスで脱脂剤の水気を拭き取ります。このとき、脱脂剤が乾く前に拭き上げることが大切です。車全体を一気に処理するのではなく、細かい区画に区切って仕上げましょう。

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4.コーティング剤の塗布

コーティング剤をボディ全体にまんべんなく行き渡らせるポイントは、一度に広範囲に塗布するのではなく、小さい面積を一単位として丁寧に塗布していくことです。そうすることで、コーティング剤が乾燥してムラになるのを防げます。

塗り込んだ後は30秒ほど待ってコーティング剤を乾燥させてから、乾いた綺麗なマイクロファイバークロスで拭き上げます。マイクロファイバークロスにコーティング剤が多く付着していると均一に拭き取れなくなるため、新品のマイクロファイバークロスを何枚か用意しておくと良いでしょう。

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アフターケアが必要な理由

ボディコーティングを施すことで、汚れが付きにくくなり手入れの手間は軽減されますが、定期的なアフターケアは必要です。汚れが付いたまま放置するとウロコ状のウォータースポットができてしまったり、油汚れ、鉄粉、鳥の糞、虫の死骸などの付着物が被膜に固着して除去しにくくなったりします。被膜を破壊して塗装面内部にまで侵食してしまう可能性もあり、油断は禁物です。

これらを除去するには、専用のメンテナンスクリーナーを用います。ご自身でのケアが難しい場合は、ボディコーティングの施工を依頼したお店や専門店に相談しましょう。

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アフターケアを行う頻度

アフターケアを行う頻度は、駐車している環境によって異なります。とくに屋根のない場所に駐車している場合は、紫外線や酸性雨などのダメージが大きくなってしまいます。

具体的なアフターケアの頻度は、青空駐車の場合、月に1~2回程度が目安です。屋内駐車の場合は、2ヶ月に1回程度洗車を行いましょう。

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ボディコーティング後にやってはいけないことはある？

洗車機は、ブラシが細かなスクラッチ傷の原因となることから使用を避けてください。また、井戸水には不純物が多く含まれており、水シミが付着してしまうため洗車の際に使用するのはやめましょう。また、水道水を使用した場合でも、水シミが発生してしまうため自然乾燥は避け、必ず柔らかい布で拭き上げてください。

ワックスは油汚れを吸着させるため、ボディコーティング後の使用は避け、メンテナンス剤で手入れしましょう。

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