COLUMN
今だから聞きたいオイル交換の基礎知識
「オートマオイル」は、ガソリンスタンドなどで交換を勧められることもありますが、頻繁に交換するものではないため、どのような効果があるのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。こちらのコラムでは、オートマオイルの基礎知識や他の部分で使われているオイルとの比較などを解説します。
車のオイルと聞いて真っ先に思い浮かぶのは「エンジンオイル」だと思いますが、実は他の部分にもオイルが使われていることをご存じでしょうか。ここでは「オートマオイル」についてご紹介します。
オートマオイルは、正式名称をATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)といい、AT車専用のミッションオイルのことを指します。「フルード」とは、油圧を発生させることで特定の部品を動作させる役割を果たしている油のことです。そして「オイル」と呼ばれるものは、主に潤滑油として摩擦を軽減させる役割のものを指し、目的によって「エンジンオイル」や「クラッチオイル」などの名称が付けられています。
新品のオートマオイルは鮮やかな赤色をしていることが多く、走行距離や年数によって徐々に劣化していくとくすんだ黒っぽい色に変化します。これは熱による酸化や、ギアの摩耗で発生する金属粉をはじめとした不純物が混入することで起こります。この状態のまま交換を行わないでいると発進や加速性能の低下・省燃費性能の低下・シフトショックが大きくなる・最悪の場合は変速機が故障してしまう、などの不調が生じることがあります。そのため、イエローハットでは車のコンディションを維持するために、2万kmまたは2年ごとの交換をおすすめしております。
なお、オートマオイルは高速走行が多い・過積載している・渋滞などによる徐行運転などのいわゆるシビアコンディションが発生してしまうと、より劣化が早まってしまうため注意が必要です。
CVTFはコンティニュアスリー・バリアブル・トランスミッション・フルードの略で、こちらも油圧で動作の調整をする「フルード」の一種です。AT車やMT車のトランスミッションはクラッチ(歯車)を用いて動作しますが、CVT車のものはプーリー(滑車)とベルトを用いて動作します。CVTFは、このプーリーとベルトを油圧動作で調整するための油です。なお、トランスミッション内での動作方法が異なるため、オートマオイルとの併用は基本的にはできません。
オートマオイルには4つの役割があります。
従来のオートマオイルには鉱物油をベースにしたものが多くありましたが、近年では全合成油をベースにしたものが主流となっています。
また、それぞれのトランスミッションの要求性能に応えるために、製品ごとにさまざまな化合物を配合しています。以下はその一例です。
オートマオイルはトランスミッションの性能を保つためにさまざまな働きをしているため、新しく交換する場合のオートマオイル選びは非常に重要です。また、自動車メーカーは車やグレードによって適したオートマオイルの規格を設定していることから、規格に合ったものを選ぶ必要があります。指定された種類以外のオートマオイルの使用は、トランスミッションの異音や寿命の低下につながる恐れがありますので避けてください。
ATはアメリカのゼネラルモーターズ社とフォード社によって1950年代に開発されたのがはじまりで、その後全世界に広まっていきました。そのため、オートマオイルの規格は現在でもこの2社の規格がベースとされています。ゼネラルモーターズ社は「DEXRON」(デキシロン)、フォード社は「MERCON」(マーコン)という規格をそれぞれ承認しています。さらに、日本では公益社団法人自動車技術会(JSAE)が選定した「JASO規格」という工業規格があり、日本車のATの制御に最適化された規格として「JASO 1A」規格が定められています。近年は、高性能なトランスミッションに対応した「JASO 1A02」「JASO 1A03」といった規格も増えています。規格と対応する自動車メーカーは以下のとおりです。
これらは自動車メーカー内で共用が可能で、比較的汎用性が高いオートマオイルの規格です。しかし、なかには特定の車や年式にのみ適用されるという規格もあります。
車の動力を確保するために必要な「エンジンオイル」をはじめ、車を動かす仕組みにはさまざまな部分でオイルが活躍します。ここからはその他のオイル製品について解説します。
その名のとおり、車やバイクのエンジン部分で潤滑油として使われているオイルです。エンジン内の部品の摩擦を軽減し、滑らかに効率良く動かすことでエンジンは最大のパフォーマンスを発揮する役割があります。それだけではなく、エンジン内の清浄・防錆・冷却・密封などさまざまな役割を担っています。
エンジンオイルは製品によって粘度が異なり、低粘度のエンジンオイルは燃費が優れている・エンジン内の部品に対する抵抗が少ないという特徴があります。一方で高粘度のエンジンオイルは熱に強く、高速道路や勾配が激しい走行が多い環境に最適です。交換時には車に合ったエンジンオイルを利用します。
ブレーキオイルはブレーキフルードとも呼ばれ、油圧式ブレーキを搭載している車には欠かせないものです。ペダルを踏んでブレーキをかけると、ブレーキキャリパー内のピストンが押し出され、車のスピードを抑えたり、停止させたりしています。このとき、油圧でピストンを押し出す原動力になるものがブレーキオイルです。
ブレーキオイルは吸湿性が高いという特徴があるため、長時間使用し続けていると空気中の湿気を取り込んで酸化が進み、性能が低下してしまいます。性能が落ちたブレーキオイルは油圧を伝える能力も下がり、結果的にブレーキがかかりにくくなる「ベーパーロック現象」が起こります。最悪の場合、事故につながる危険性もあるため定期的に交換することが重要です。
ミッションオイルはギアオイルとも呼ばれ、MT車のギアチェンジをスムーズに行うために必要な潤滑油としての役割を果たしています。マニュアルトランスミッションは部品数が多く複雑な構造をしており、動力が伝わると金属パーツが高速で回転を繰り返します。ミッションオイルは、このとき発生する摩耗や錆、部品同士の接触による騒音を防ぐ効果があります。
クラッチペダルの搭載されているMT車に使われるもので、市場に出ている多くのMT車はクラッチを踏んだ際に油圧で動力を伝達させています。そして、クラッチオイルはギアチェンジをスムーズに行うために使われるものです。
クラッチオイルの成分はアルコールを主成分とした「グリコール」がメインで、ブレーキオイルと同じ成分が使われています。クラッチオイルが急激に減少するということは基本的にはなく、クラッチの摩耗によってわずかに減少するものです。もしも異常に減りが早いという場合は、クラッチオイルが漏れているなどの可能性があるため早急に点検を行ってください。
別名パワーステアリングフルードとも言われる、ハンドル操作を油圧で制御するためのオイルです。ハンドルを切るごとに加圧・減圧が行われ、軽快にステアリングできるようにアシストする役割を持っています。パワステオイルはオートマオイルと同じものを使用しているものが多いため、新品のものは赤色をしています。劣化が進むとハンドル操作が重たくなったり、異音がしたりといったトラブルにつながります。
先にご紹介したとおり、不純物が蓄積したオートマオイルを使用し続けていると異音や燃費の悪化、パーツの損傷につながることもあります。適切なコンディションでドライブが楽しめるように、定期的にメンテナンスを行いましょう。
オートマオイルを販売する各メーカーや車種によって推奨する交換時期は異なりますが、イエローハットでは2万kmの走行、または2年ごとの交換をおすすめしております。なお、フリーダイヤルからご予約いただければ、翌日以降に対応させていただくことが可能です。車検証をご用意のうえ、お気軽にご予約ください。
また、エンジンオイル交換をご希望の場合は、オイル交換ネット予約をご利用ください。24時間いつでもご予約が可能なうえ、当日の待ち時間も短縮できます。
車のメンテナンスは、全国約700店舗を展開しておりますイエローハットにぜひお任せください。
オートマオイルは、ATのコンディションを保つために非常に重要な役割を持っています。そして、定期的にメンテナンスをすることで快適な乗り心地を維持できるようになります。
イエローハットでは、車のメンテナンスに関するお悩みを総合的に解決させていただきます。少しでも気になる点や不明なことがあれば、お気軽にご相談ください。
STEP01
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STEP02
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STEP03
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STEP04
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