エンジンオイルに添加剤は必要？種類や選び方を解説します！

燃費の低下を感じた時、エンジンオイル添加剤を使うことで改善することがあります。ただし、エンジンオイル添加剤は気軽に用いることができる一方で、車や使用環境、さらには投入タイミングを間違えてしまうと思わぬトラブルにつながる恐れもあります。そこで、このコラムではエンジンオイル添加剤の効果や種類・選び方を解説していきます。

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エンジン内の洗浄・保護

　　　　

もっとも一般的なのが、エンジンオイルの汚れを防ぎ、かつエンジン内部の保護性能を高める効果です。潤滑・密封・冷却・清浄・防錆など多様な役割を果たしているエンジンオイル自体にも、あらかじめ添加剤が入れられています。しかし、エンジンオイル添加剤には、高い清浄効果が見込めるフラッシング剤など、より高品質の添加剤が配合されています。具体的には、フッ素系の樹脂などで形成された保護膜がエンジン内部をコーティングしたり、塩素系の添加剤の化学作用によりエンジン内部の金属表面の摩擦係数を下げたりする添加剤があります。これらが配合されたエンジンオイル添加剤を用いれば、シリンダー内でのピストン運動による金属摩耗で生じた鉄粉やエンジンオイルの酸化などによる汚れをエンジン内部に溜まりにくくしたり、吸収・清浄してくれたりする効果が得られます。また、エンジン内部の摩擦抵抗の軽減・保護効果の長期間の持続も期待できます。

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エンジン内の不具合改善

　　　　

エンジンオイル添加剤によりエンジン内の清浄・保護効果が高まると、潤滑作用はもちろん、密封作用も向上します。
長く乗り続けてきた車の場合、エンジンオイルキャップやガスケットの劣化によりエンジンオイルが外部に漏れ出す「オイル下がり」や、ピストンリングの摩耗によりシリンダーとピストンリングの隙間からエンジンオイルが燃焼室に入ってしまう「オイル上がり」が起きやすくなります。この時、漏れが軽度であれば、エンジンオイル添加剤による対処が可能なことがあります。エンジンオイル添加剤の中には、劣化したガスケットやパッキンを膨張させる働きがある物もあるので、滲み程度の漏れであれば止めることができるのです。
ただし、あくまで応急処置としての対応となるため、軽度の漏れであっても早急にお店で点検をしてください。

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燃費・性能の向上

　　　　

エンジンオイル添加剤により潤滑作用や密封作用が高められると、圧縮漏れによる燃焼ロスがなくなり、エンジンを滑らかに回転させることができるので燃費性能が回復し易くなります。
そして、燃焼がスムーズになり、ピストンとシリンダーのクリアランスが適正の範囲に収まることで、騒音や振動の低減効果も期待できます。
また、エンジンオイルは、車や走行環境によって適正粘度が変わってきます。適切なエンジンオイル添加剤を使うことで、低温時・高温時それぞれに適した粘度の保持、あるいは長期間動かしていない車に多々みられる始動時のドライスタートを防ぐ効果も期待できます。

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効果が得られにくい場合がある

　　　　

エンジンオイル添加剤は、高性能なエンジンオイルに入れても効果が得られにくいという特徴があります。高性能なエンジンオイル自体にはすでにさまざまな添加剤が配合されており、エンジンオイル添加剤による新たな効果が、低グレードエンジンオイルの場合に比べると実感しづらいという事情があるためです。
そして、効果がない・実感できないだけであれば実害はありませんが、エンジンオイル添加剤の投入自体がNGとされているエンジンを搭載する車に誤って入れてしまうとトラブルにつながります。特にスポーツ走行を主目的とするタイプの車の場合、エンジンオイルの粘度はワイドレンジタイプに限るなど、厳格な基準が設けられているケースもあります。下手にエンジンオイル添加剤や研磨剤を入れると、エンジンオイルの性能を変えてしまったり、偏らせてしまったりする恐れがあるため、このようなエンジンにはエンジンオイル添加剤の使用が禁じられていることがあるのです。
したがって、エンジンオイル添加剤を投入する前にパッケージに記された注意書きや車の取扱説明書にはしっかりと目を通しておいてください。

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使い方によっては故障を招く

　　　　

さまざまな効果が期待できるエンジンオイル添加剤ですが、場合によっては使用自体が故障を招くことがあります。
エンジンオイルの漏れが軽度であれば、エンジンオイル添加剤を使って漏れを止める効果が期待できることについて先述しました。しかし、この時に漏れの程度の判断を誤ると、エンジンオイル添加剤を入れることでエンジンオイルとともに漏れ出てきてしまうことがあります。エンジンオイル添加剤には摩擦を減らす成分が含まれているため、ベルト類に付着することでベルトが滑ったり、場合によってはタイミングベルトのコマ飛びやベルト自体の切断の恐れが出たりします。
また、エンジンオイルの粘度には特に気をつける必要があります。粘度が硬いエンジンオイル添加剤を入れることでエコカーなどに用いられる低粘度のエンジンオイルの粘性を高めてしまい、加速性能や燃費の悪化が起きやすくなります。

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車の状態や目的で選ぶ

　　　　

エンジンオイル添加剤を選ぶ時には、ご自分の車の状態やどのような効果を求めているのか、すなわち目的を明確にしておくことが大切です。
たとえば、多走行車や年式が古い車などでは、エンジン内部の劣化による車両自体の性能低下や騒音・振動が目立つケースが多くみられます。このような時には、エンジン内部をコーティングして保護したり、シリンダーやピストンといった金属パーツの表面の再形成化を促したりしてパーツ同士の摩擦負担の軽減が期待できる、エンジンの機能回復効果やトリートメント効果の高いエンジンオイル添加剤を選びます。
また、エンジンオイルは、使用頻度が少ない車であっても時の経過とともに劣化していきます。これは空気に触れることによる酸化や、水分の混入による乳化が主な原因です。車に乗る頻度が高くなく、こうした劣化が気になるのであれば、劣化を抑えて清浄・防錆などの保護効果が高いものを選ぶことをおすすめします。

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添加剤の対応車種で選ぶ

　　　　

ガソリン車とディーゼル車とではエンジン構造が異なるため、使用できるエンジンオイル添加剤も変わってきます。
たとえば、エンジンオイルの粘度を下げる効果があるものを使えば、エンジンオイルがサラサラになり抵抗が減るため、エンジンのかかり具合や燃費、あるいはアクセルレスポンスの向上が体感できます。ただし、こうした効果を狙いすぎて車の指定粘度を下回ってしまうと、エンジンオイルの潤滑作用が鈍り、油膜切れのリスクが高まります。
エンジンオイル添加剤は、使えば使うほど効果が出るものではないため、ご自身の車に合ったものを適量投入することを心掛けてください。

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メンテナンスのし易さで選ぶ

　　　　

エンジンオイル添加剤にはエンジンオイルと混ぜてから入れるタイプもありますが、車のメンテナンスに慣れていない方は特別な技術や道具が要らない、そのまま注ぎ込めるボトルタイプが安心です。
また、他のエンジンオイル添加剤と併用ができるタイプを選択することも、メンテナンスのしやすさにつながります。モリブデンやテフロン、セラミックなど固体粒子を含んだものから、固体粒子を含まない潤滑フィルムのGRP共晶膜形成に優れるタイプまで、さまざまな成分が入ったエンジンオイル添加剤が市販されていますが、安易な併用はエンジンにダメージを与える恐れがあります。ご自分でメンテナンスをされるのであれば、併用が可能か購入前に確認しておくことをおすすめします。

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