エンジンオイルが白い！原因や予防策について解説

新品のエンジンオイルは透明感のある色をしているものが多く、車を走らせ続けていくうちに徐々に黒く変色していきます。黒く変色することは経年劣化以外にもエンジンオイルが空気に触れて酸化したり、エンジン内の部品同士が擦れあった際に生じるスラッジが混入したりすることで起こる自然な現象です。
しかし、ある条件が重なるとエンジンオイルが「白く」変色してしまうことがあります。これは経年や酸化などによる自然なものではなく、車にトラブルが起きている可能性を示すものであり、メンテナンスが必要になります。このコラムでは、エンジンオイルが白く変化してしまう原因やそのトラブルの予防策などを解説します。

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結露

　　　　

冬場の気温が低く、エンジン内の温度が上がりにくい状態で起こりやすいのが「結露」による水分の侵入です。エンジンは吸気工程で空気を取り込み、インジェクターから噴射した燃料と合わさることで混合気となります。そして、混合気を燃焼させることで動力を得ています。
このとき吸入する空気には水分が混ざっているため、吸入するたびに少しずつ水分が蓄積されていきます。通常は水分の量はごくわずかなので、エンジンが完全に暖機運転を行えばそのほとんどは蒸発してしまいます。しかし、エンジン内の温度が上がりきらずに水分が残ってしまった場合は、結露して次第にオイルパンに溜まってしまうのです。そして、この水分がエンジンオイルと混ざり合うことで、乳化現象を引き起こしてしまいます。

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短距離走行

　　　　

短距離走行はシビアコンディションにも当てはまる条件であり、多くの自動車メーカーでは「1回の走行距離が8km以下であること」を短距離走行の目安としています。距離が短い走行では、エンジンが完全に温まりきる前に停止してしまいます。このとき、燃料の燃焼によって発生した水分が蒸発することなくエンジン内に留まってしまい、エンジンオイルの乳化の原因となってしまうのです。

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部品の破損

　　　　

エンジンのオイルギャラリー（通路）と冷却水の水路は完全に分断されているため、通常は混ざり合うことはありません。しかし、エンジン内部の部品が破損し、エンジンオイルに冷却水が混入することで乳化が引き起こされる場合があります。
冷却水と混ざり合ってしまうということは、ラジエータータンク内の冷却水にもエンジンオイルが入り込んでしまっていることが予想されます。この場合は、ラジエータータンクのキャップを外して裏側を確認してみてください。白濁したエンジンオイルが付着している場合があります。
また、エンジンのフィラーキャップが何らかの原因で緩んでしまい、そこから水分が混入してしまうというケースもあります。

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定期的に30分以上走行する

　　　　

結露を発生させないためには定期的にエンジン全体が温まるまで運転を続け、水分を溜め込まない走り方をすることが重要です。エンジンオイルは温まることで性能が発揮されるように設計されているため、短距離走行で低温状態が続くと水分が蒸発できずに乳化を招きます。日ごろから通勤・通学などで短距離のルートしか走行しないという場合は、意識的に遠回りをして走行距離を稼ぐことで予防できます。

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車を点検に出す

　　　　

エンジンオイルは次第に劣化していく消耗品です。しかし、タイヤやブレーキパッドと比べて性能の低下を目に見えて実感することが少ないため、定期的に交換しようという意識を持ちづらいという方もおられるでしょう。
気が付きにくいエンジンオイルの劣化を早期に発見するためにも、定期的にお店に依頼して車をメンテナンスする習慣を身につけると安心です。

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エンジンオイルを交換する

　　　　

エンジンオイル交換は、予防方法でもあり、乳化してしまった際の解決策です。特に短距離走行が多い方は、定期的にエンジンオイルを交換するように心がけてください。
エンジンオイルを交換するタイミングは走行距離や環境・車の種類によって異なりますが、イエローハットがおすすめする交換時期の目安は、走行距離3,000km～5,000km毎、もしくは3ヶ月～6ヶ月のどちらか早い方です。

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・密封作用
エンジン内部にあるピストンの往復運動は、クランクシャフトに合わせて行われます。しかし、ピストンの周りには金属の熱膨張にも耐えられるように隙間が存在しており、隙間が空いたままでは燃焼で生まれたエネルギーが漏れてしまうのです。この状態は燃費の悪化を招くだけでなく、ブローバイガス排出の原因となってしまいます。
エンジンオイルはその隙間を埋めて、圧縮・燃焼時に発生する吹き抜けを防ぐ役割を持ち、エンジンのパワーロスを低減させています。

　　　　

・冷却作用
エンジンの内部は金属部品の摩擦やガソリンが燃焼することで、非常に高温になっています。エンジン内部の温度が上がりすぎてしまうこともオーバーヒートの原因となるため、エンジンオイルはエンジン内部を適温に保つために、熱を奪って冷却する役割を持っています。仕組みとしては、エンジン内を循環したエンジンオイルがオイルパンに一定の間留まり、放熱することで冷却します。

　　　　

・清浄作用
エンジンオイルは常にエンジン内部を循環して汚れを吸着しているため、時間の経過とともに鉄粉やカーボンなどの不純物が蓄積されていきます。エンジンオイルに不純物が多く含まれてくると、粘度が硬くなってスムーズに循環しなくなり、潤滑作用も落ちてエンジン内部に大きな負荷がかかってしまいます。余計な負荷がかかると、エンジンの燃焼効率が下がり、燃費が悪くなってしまいます。

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