COLUMN
鈑金・塗装修理について解説
全塗装をすることで劣化した外観もきれいにできるメリットがあります。一方で、多額の費用がかかるため、DIYで費用をできるだけ抑えたいという方もおられるのではないでしょうか。DIYでの全塗装を成功させるには、十分な計画と慎重な作業が重要です。
そこでこのコラムでは、DIYで全塗装する方法についてご紹介します。全塗装が必要となるダメージを防止するための方法についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
DIYによる外装の全塗装を検討する際、基本的な知識を身に付けておくのが大切です。塗装は一見すると簡単に見えるかもしれません。ただし、均一で美しい仕上がりを求めるには一定の技術が求められるでしょう。
DIYの利点や注意点を前もって把握しておくなら、作業を進める上でより良い判断ができます。ここでは、DIYで全塗装を実施する前に押さえておきたい基本についてまとめました。
大切に乗り続けていても、車の外装は時間の経過と共に劣化します。外装の劣化が起こる原因は、太陽の紫外線や雨に含まれるミネラルなどです。近年の塗料は以前に比べると耐久性が高まりましたが、さまざまな外的要因によって劣化は進みます。
劣化した車に全塗装を施せば、美しい色彩を取り戻せるでしょう。部分的な塗装を行う場合、周りの色に合わせる調色の作業が必要ですが、全塗装の場合はその手間がありません。ボディ全体が均一な色で覆われるため、一体感のある仕上がりを期待できます。
DIYによる全塗装の場合、異なる色への変更も可能です。お気に入りのボディカラーに変更したり、個性を強調したデザインに変更したりできます。
一方で、ボディカラーの変更については慎重な検討が必要です。何らかの原因で塗装が剥がれてしまうと、元々の色が見えてしまいます。選定した色によっては、目立つかもしれません。
小さな傷であっても多数ある場合、「いっそのこと全塗装してしまったほうが良いかもしれない」と思われる方もおられるでしょう。多くの場合は、全塗装を依頼すると高額な費用がかかります。しかし、DIYで実施した場合は材料費があれば全塗装が可能です。
全塗装にまとまった費用をかけるのであれば、買い替えも選択肢に入るという場合、DIYで施工すれば予算が少なくても修理できるため愛車に乗り続けることができます。
DIYで全塗装した車は、車両本体価格にも影響を与える可能性があるため注意が必要です。中古車市場において、全塗装した車は敬遠される傾向にあります。全塗装した車の品質や耐久性は施工店により大きく異なるためです。
そのため、全塗装する場合には、リセールバリューにも注意が必要です。全塗装はまとまった費用がかかる一方で、思ったように買取価格は付かないかもしれません。
DIYによる全塗装とプロによる全塗装を比較した場合、クオリティーに大きな差が出る可能性が高いでしょう。均一で美しい仕上がりを実現するためには、高度な技術が求められます。また、プロの場合は材料や環境が整っていることで、質の高い施工が可能です。
DIYの施工では失敗のリスクが潜んでいます。プロに再塗装を依頼した場合、通常時よりも高額な費用がかかるかもしれません。DIYによる全塗装を検討する際には、失敗のリスクを考慮しておく必要があります。
DIYによる全塗装には専門的な知識や一定の技術が求められるため、慎重な検討が必要です。全塗装に失敗した場合、費用の追加や再修復の手間などが生じるかもしれません。前もって失敗例を確かめておくなら、慎重に判断できるでしょう。ここでは、DIYで全塗装を実施する前に確かめておきたい5つの失敗例について解説します。
塗装ムラが起きる原因のひとつは安定しない施工です。例えば、エアの圧力、塗出量、ボディからスプレーガンまでの距離、スプレーガンを動かすスピードなどが均一ではない場合、仕上がりが悪くなるでしょう。
塗装ムラが発生するもうひとつの原因は、シンナーの選定ミスです。シンナーの蒸発スピードに違いがあると、塗料が均一に広がりません。
塗装の際には丁寧で的確な作業が重要です。適切な粘度を保ちながら、均一に塗るように心がける必要があります。
塗装作業では事前の清掃が重要です。作業中にゴミやホコリがボディに付着すると、表面に起伏が生まれてしまいます。ゴミやホコリが付着する原因のひとつは、不十分な洗車です。作業前の洗車を怠った場合、汚れがボディに残ってしまいます。
施工の際には、作業服や使用する道具にも注意を払う必要があるでしょう。作業服が汚れていたりスプレーガンの洗浄が不十分であったりすると、ゴミやホコリが塗料に混入する可能性があります。
ハジキは、ボディの表面に水分や油分が残っていることで起こる現象です。下地が露出したり、塗膜が押しのけられたように見えるへこみが生じたりします。
ハジキの主な原因は作業環境です。塗布していたワックスの除去不足であったり、異種塗料のスプレーミストがかかったりと、原因はさまざまです。また、コンプレッサーからの配管の中や圧縮エアの中に水分や油分が混入することも要因になります。
ボディの垂直面や傾斜面の塗装では、塗料の垂れに注意が必要です。蒸発の遅いシンナーを利用したり、塗料を厚めに塗ったりすると、重力の影響で下に垂れてしまいます。乾燥すると表面にムラができてしまい、仕上がりが悪くなってしまうでしょう。
塗料が垂れるのを防ぐには、適切なシンナーの使用が重要です。希釈比率や粘度を調整しておくなら、均一に塗装できるでしょう。また、数回に分けて塗るなど、厚塗りを避けながら作業すると仕上がりが良くなります。
ゆず肌とは、ボディの表面にみかんの皮のような粒が発生する状態のことです。塗装面が平坦にならないため、見栄えが悪くなってしまいます。
ゆず肌の主な原因は、スプレーガンの使用が不適切であることです。ボディとスプレーガンの距離が離れすぎていたり、微粒化の悪いスプレーガンを使っていたりすると不均一な仕上がりになる可能性があります。
使用するシンナーについても注意が必要です。乾燥のスピードが早いシンナーを使用すると、ゆず肌が生じる恐れがあります。
DIYによる外装の全塗装を検討する際には、基本的な手順を知っておくのが大切です。作業を円滑に進めるのはもちろんのこと、プロに全塗装を依頼する際にも役立ちます。
DIYの全塗装では3つの方法があるため、事前に決めておくのが良いでしょう。ここでは、塗装方法について詳しく解説します。塗装作業で必要となる道具や基本的な作業の流れについてまとめました。
DIYで外装を全塗装する場合、道具の準備が不可欠です。状況によって異なる場合がありますが、基本的には、下記の道具が必要となります。
上記の道具については、カー用品店で購入可能です。また、全塗装の作業に適した場所を確保しておくなら、スムーズに作業を進められます。
スプレー缶を使用した全塗装のDIYの特徴は手軽に扱えることです。スプレー缶はさまざまな店舗で販売されており、比較的そろえやすいでしょう。また、塗料を混ぜる作業が不要のため、簡単な準備で作業を始められます。スプレー缶を使用する場合の作業の流れは以下の通りです。
スプレー缶を使用する際には、作業場所に注意する必要があります。特に野外で作業する場合には、風向きに対する注意が必要です。
刷毛やローラーを使用した全塗装のDIYには、塗料が飛び散らないという特徴があります。マスキングやシートによる養生を簡単に済ませられるため、作業前の手間や時間を省けるでしょう。刷毛やローラーを使用する場合の作業の流れは以下の通りです。
刷毛やローラーによる塗装では塗装ムラのリスクが高いため、つや消し剤を使用します。つやを出したい方は別の方法で塗装すると良いでしょう。
スプレーガンやコンプレッサーを使用した全塗装のDIYには、作業時間が早いという特徴があります。一方で、機材の購入が必要になるため、他の方法と比べると費用が高額になりやすいでしょう。スプレーガンやコンプレッサーを使用する場合の作業の流れは以下の通りです。
スプレーガンやコンプレッサーについては塗料を均一に吹き付けやすいというメリットがあります。きれいな仕上がりをお求めの方に適しているでしょう。
適切な準備や慎重な作業を心がけていれば、DIYによる外装の全塗装は可能です。ただし、作業に不安を感じる方はプロへの依頼がおすすめです。DIYでの全塗装に失敗してからプロに相談した場合、断られてしまったり修復の費用が割増になったりする恐れもあります。ここでは、プロへ依頼した場合の全塗装費用の目安や主な依頼先について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
全塗装をプロへ依頼する場合、車種やサイズによって金額が異なることが一般的です。軽自動車やコンパクトカーなどサイズの小さな車については安く設定されており、ミニバンなどの大型車は高く設定されています。
全塗装の費用の目安は、軽自動車やコンパクトカーで30万円台~、SUVやステーションワゴンは40万円台~です。使用するカラーなどによっても異なります。
全塗装の価格はお店によってばらつきがあるでしょう。品質についても差が出る可能性があります。全塗装を依頼する際には、予算を決めておき、事前にクオリティーをチェックしておくのが重要です。
ディーラーに相談すれば全塗装の要望にも応じてもらえます。ただし、ディーラーの場合、下請け会社に作業を依頼しているケースも少なくありません。マージンが価格に含まれる可能性がある一方で、一定以上のクオリティーが期待できるでしょう。
車の全塗装には費用やデザインに関するリスクが潜んでおり、慎重な検討が求められるでしょう。リスクを軽減するには、普段からのメンテナンスが大切です。
保管場所に注意したり、ボディに付着した異物をこまめに除去したりするなら、塗装部分へのダメージを軽減できるでしょう。ここでは、全塗装が必要となるダメージを軽減する方法について解説します。
駐車する場所は、なるべく直射日光を避けるようにしましょう。車のボディは太陽による紫外線の影響を受けやすいためです。
紫外線は塗装部分を劣化させるリスクがあり、チョークの粉が吹いたような状態になるチョーキング現象を誘発します。自宅で保管する際には、屋根付きの駐車場もしくはカバーを使用するのもひとつの方法です。
鳥のフン、虫の死骸、酸性雨などは、長時間放置することで塗装の酸化につながります。場合によってボディにシミが残る可能性があるため、十分な注意が必要です。
鳥のフンや虫の死骸は、乾いてしまうと取りにくくなります。無理に擦るとボディを傷付ける恐れがあるため、ぬるま湯を使って柔らかくしてから優しく拭うように落としましょう。
水道水や雨水がボディに付着すると、イオンデポジットやウォータースポットが発生する可能性があります。洗車後は水滴がボディに残らないよう、きれいに拭き上げることが大切です。
イオンデポジットとは、水分に含まれるミネラルがボディに残留している状態のことです。ウォータースポットは、残留したミネラルが塗装内部に浸食した状態のことを指しています。
普段からこまめにメンテナンスを実施していても、時間の経過と共にボディは劣化します。全塗装には費用面に関するデメリットが大きいため、費用を抑えたい方は別の方を検討するのもひとつの方法です。
ボディに残った複数の小さな傷を修復する場合、クイック鈑金という選択肢があります。全塗装よりも修理費用が安いため、予算を抑えながらボディをきれいない状態に修復できるでしょう。作業時間も短く、いつでも気軽に利用できるのも魅力のひとつです。
劣化した車のボディのDIYによる修復を検討されている方は、イエローハットの「ワンプライスクイック鈑金」をご利用ください。
ワンプライスクイック鈑金は施工時間、費用、品質にこだわっており、一般板金と同等の品質を低価格で提供しています。ここでは、イエローハットのワンプライスクイック鈑金の魅力についてご紹介いたします。
少ない予算で多数の傷やへこみを直したいと考えている場合、緊急性の高い箇所や目立つ部分などを優先して修復するのもひとつの方法です。イエローハットのワンプライスクイック鈑金なら、最短1日でボディに残った傷やへこみを修復できます。
※傷やへこみの状態により、一定の施工日数を要する場合があります。
お手軽価格での施工を実現しており、小さな範囲のスリキズでしたら1箇所2万円~3万円程度、小さなへこみを1箇所修理する場合の目安は2023年11月時点の価格で4万円~5万円程度です。板金に関する知識や技術を持ったプロに相談しつつ傷やへこみを修理できます。
※上記の価格は一例のため、実際の金額は異なる場合がございます。お見積りの際には、現車を確認させていただいてからご提示させていただきます。
イエローハットではWEBによる板金見積りの来店予約が可能です。予約専用ページで所有しているお車や店舗を選択した後に、氏名や電話番号などのお客様情報をご入力するだけで完了します。
お客様ご自身で見積り・来店予約を完了できますので非常に便利です。板金のお見積りは無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
また、コールセンターへのフリーコールでも予約できます。 お見積りご提示後、ご納得いただければ施工の日程をご予約いたします。
DIY全塗装の施工には劣化したボディをきれいに修復できるというメリットがありますが、失敗のリスクが高いため慎重に検討が必要と言えます。
DIYでの施工に失敗した場合、プロへの依頼は可能です。ただし、状況によっては断られたり通常よりも高額な費用が発生するケースもあります。不要なトラブルを避けたい方は、早めにプロへ相談すると良いでしょう。
多数の細かい傷が目立つ場合、ぜひイエローハットのワンプライスクイック鈑金を検討してみてください。低価格ながら一般板金と変わらない品質の施工が可能です。全塗装が必要な場合もイエローハットにお任せいただけますのでお気軽にご相談ください。