COLUMN
鈑金・塗装修理について解説
車の塗装に付いた傷と「磨き」と呼ばれる作業は密接な関係にあります。磨きを実施する理由について知りたい方もおられるのではないでしょうか。傷を消す目的で磨きのみを行う場合もありますが、傷の修理後には多くの工場で仕上げ作業として実施されます。
このコラムでは、傷の修理後における磨き作業の重要性や実施するタイミング、使用する道具について解説します。DIYで行う際の注意点についても把握できますので、ぜひ参考にしてください。
目次
車の塗装は、外観の印象に関わる重要な要素です。さまざまな要因で傷付いてしまうため、修理を検討している方もおられるでしょう。塗装の補修において、磨き作業は欠かせない工程です。ここでは、板金塗装における磨き作業の必要性を解説します。
塗装の良し悪しに大きく関わるのが艶です。光沢を出すためには、磨き作業が重要となってきます。光を当てるとよく分かりますが、塗装面が荒れていると光が多方向に反射して、艶のない印象を受けるでしょう。
しっかりと塗装面を磨き、表面を平滑化することで、光がきれいに反射して艶が生まれます。特に仕上げ作業において、重要な工程と言えるでしょう。
塗装作業において、ゴミの付着は失敗につながります。塗装時にゴミが付着すると、ブツと呼ばれる一部だけ膨らんだ状態となり目立ってしまうのです。そのため、磨きによるブツ取り作業を実施して塗装面を整えます。
しかし、研磨しても改善しない場合は再塗装が必要です。ゴミの付着を防止するためには、塗装ブースなど空気中にゴミやホコリが少ない環境で実施することが大切です。ただし、完全に防げるものではありません。
板金塗装では、塗装面を肌と表現することがあります。塗料の吹き付けが不十分だと細かく波打った状態となり、吹き付け量が多いと大きく波打つため、塗装肌を整える作業が必要です。
特に、みかんの皮のような凹凸のできた「ゆず肌」は、塗装の失敗例として挙げられます。磨き作業を実施することで、塗装肌にできた凹凸を平滑化でき、きれいに仕上げられます。磨きの技術が高いほど鏡面に近づけることができ、圧倒的な艶が生まれるのです。
塗料を吹き付ける作業では、繊細さが求められます。塗料を吹き付けるスピードが遅かったり、スプレーガンを近づけすぎたりすると、塗膜が厚くなって垂れにつながるため注意が必要です。
垂れが発生したとしても、磨き作業で取り除ける可能性があります。ただし、垂れが重度の場合は磨き作業を実施しても整えることは難しいため、再塗装が必要です。
クレーターとは、文字通り塗装面の一部がへこんだ状態を指します。クレーターが発生する要因としては、塗装面に付着した成分により塗料が弾かれるケースや気泡の発生、不適切な塗料の粘度などです。
クレーターが浅い場合は、磨き作業で目立たなくなります。ただし、深い場合は再塗装となるでしょう。クレーターは美観を大きく損ねるので、避けたい現象のひとつです。
車の塗装では、いくつかの層で形成されています。カラーによって塗り重ねる層の数は変わりますが、基本的には下塗り・中塗り・上塗りの3層です。塗料を吹き付ける下地に凹凸があると、塗り重ねても消えない場合があります。
その際に塗装面を磨くことで、凹凸を取り除くことが可能です。このように磨き作業は、さまざまな理由により実施され、仕上がりに大きな影響を与えます。
塗装の磨きは、適切なタイミングで行わないと失敗する可能性があります。また、磨きすぎも失敗の要因です。ここでは、磨き作業を実施する適切なタイミングや、塗装の厚みについて解説します。DIYで傷の補修を検討している場合は、参考にしてください。
塗装では、各種塗料を吹き付けていきますが、すぐに乾燥する訳ではありません。塗料が柔らかいうちに磨き作業を実施しても、艶を出すことは困難です。また、表面が乾燥していても、内部が乾くまでには時間がかかります。
しっかり乾燥させて塗料が固まった段階で磨くと、きれいな艶を出すことが可能です。塗装した後は、少なくとも1週間おいてから磨きましょう。
塗装の膜厚はミクロンの単位で表し、1ミクロンは0.001mmとなっています。磨き作業では、塗装の厚みを意識することが大切です。一般的に塗装の膜厚は頭髪の太さ、80ミクロン程度といわれています。ただし、車種によって膜厚が異なっており、軽自動車・普通乗用車・高級車の順で厚くなる傾向です。
例えば、軽自動車であれば80ミクロンの塗膜のうち、20ミクロン~25ミクロンがクリア層となります。磨きが可能な厚みは0.02mm以下となるため、磨きすぎには注意しましょう。
磨き作業には、さまざまなタイプが用意されています。それぞれ特徴があり、使用方法が異なるため、しっかりと把握しておくことが大切です。DIYで磨きを実施する際は、作業手順を調べつつ、適切なものをそろえましょう。ここでは、磨き作業で使用する4つのアイテムを紹介します。
サンドペーパーは、紙に研磨剤を接着したアイテムです。ホームセンターやカー用品店などで手に入れられます。磨き作業で使用する定番のアイテムで、研磨剤の荒さに種類があります。荒さを示す番手がサンドペーパーごとに決まっており、600番~5000番を用意しておくと良いでしょう。数字が小さいほど、目が細かくなります。
コンパウンドも、磨き作業でよく使用するアイテムです。コンパウンドにもいくつか種類があり、配合する研磨粒子の大きさが異なります。荒目や細目、極細、仕上げ用など種類はさまざまです。基本的に荒目から使用し、徐々に研磨粒子の小さいものへと使い分けていきます。コンパウンドは、塗装にできた小さな傷を消すのに効果的なアイテムです。
ポリッシャーは、次に紹介するバフと併用して使用する研磨用のツールです。電動タイプとエア圧で作動するタイプが販売されていますが、一般的に個人で使用されるのはコンプレッサーが必要ない電動タイプでしょう。サンドペーパーと比べると高額ですが、回転運動によって磨くのできれいに仕上げやすく、楽に作業できることが特徴です。
バフは、ポリッシャーに取り付けて使用するアイテムです。バフの表面にコンパウンドを乗せてボディを磨きます。タオルバフやスポンジバフ、ウールバフなどが主な種類です。また、スポンジバフにも番手があり、中目から使用し細目へと移行します。
磨き作業を実施する前に、バフに異物が付着していないか確認しましょう。砂などが付着していると、傷の原因となってしまいます。保管するときも、異物の付着を防ぐことが大切です。
塗装の「磨き」をDIYで行う際は、注意点を押さえて実施することが大切です。最上層のクリア層を過度に磨くと、下層がむき出しになってしまい艶が消えたり、保護機能が失われ塗装が劣化しやすくなったりします。膜厚を測定した上で磨きすぎないようにすることが重要です。
また、磨き作業では摩擦による熱が発生します。特にポリッシャーを使用するときは、焼き付きに発展しやすいので扱い方に注意が必要です。ポリッシャーを当てる角度によっては深い傷を付けてしまう可能性もありますので、慎重に取り扱う必要があります。
イエローハットでは、カー用品やタイヤの販売、車検だけでなく、板金メニューも用意しています。しっかりと磨き作業を実施させていただきますので、お車をきれいな状態に修復可能です。ここでは、イエローハットの板金メニューの特徴や見積りをする際のWEB予約の方法についてご紹介します。
イエローハットは、安く早く直せるワンプライスクイック鈑金と、大きな損傷も修理できる本格板金に対応しています。
ワンプライスクイック鈑金は、磨き作業をしっかり実施しつつコストを最小限に抑えている点が特長です。利用しやすい料金設定を実現しており、ドア・フェンダーの傷やへこみ、バンパー・ドアミラーの傷に対応しています。
損傷が大きい場合やご希望によっては、本格板金で対応いたします。こちらもしっかりと磨き作業を実施しますので、仕上がりにご満足いただけるでしょう。
※実際のお見積りは現車を確認させていただき、ご提示させていただきます。
お見積りの来店予約を、WEBフォームから実施していただくとスムーズです。まずはWEBフォームにてお近くの店舗と車種情報をリストからご選択ください。WEB予約可能店舗は、画面の指示にしたがっていくと予約を完了できます。
お客様ご自身で見積り・来店予約を完了できますので非常に便利です。板金のお見積りは無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。また、コールセンターへのフリーコールでもお見積りの来店予約ができます。 イエローハットの店舗にてお見積りご提示後、ご納得いただければ施工の日程をご予約いたしますので、ぜひご利用ください。
塗装面を磨くことは、きれいに仕上げるために重要な作業です。適切に磨くことで、艶が出せるなど、本来の美観を取り戻せるでしょう。ただし、適切な道具を用意し、タイミングを間違えないことが重要です。DIYで傷の補修が難しいと感じた場合は、プロに頼ることをおすすめします。
イエローハットでは、ワンプライスクイック鈑金でも本格板金でも、磨き作業をしっかりと実施します。WEB予約専用ページで、簡単に見積り予約ができますので、ぜひご活用ください。