COLUMN
鈑金・塗装修理について解説
車のバンパーが損傷した場合、修理を依頼するのが一般的です。ただし、バンパーの修理は、他のパーツとは異なる対応が求められます。きれいな仕上がりを目指すためにも、基本的な修理の流れを知っておきたいという方もおられるのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、バンパーのへこみ修理と一般的な板金修理との違いについて解説します。へこみを修理する際のポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
車のボディに傷やへこみが生じた場合、板金修理が可能です。バンパーも板金塗装店で修理してもらえるものの、他のパーツとは素材が異なります。ここでは、バンパーのへこみ修理の概要や主な修理の選択肢について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
車における板金修理とは、事故や衝撃・老朽化などによって変形した金属を加工して修復する作業のことです。板金修理の方法として、外板板金、パネル取替、フレーム修正の3つがあります。
傷やへこみについては外板板金で直すのが一般的です。専用の道具を使用して鋼板パネルを引っ張ったり、たたいたりして変形の修正を行い、必要に応じてパネルごと交換します。板金修理は板金作業と塗装作業の工程があり、それぞれの工程を複数の職人が分担して作業するのが一般的です。
1980年代は金属製のバンパーが使用されており、車体から独立した状態で固定されていました。1990年代に入ってからは、歩行者保護の観点からポリプロピレン樹脂のバンパーが主流となったため、金属製のバンパーを見かけることはほとんどないでしょう。
樹脂製バンパーの場合は金属の加工ではないため、本来の板金修理には該当しませんが、板金工場では車の総合的な復元作業に取り組んでいます。そのため、お店によっては樹脂製バンパーの修理も対応可能です。ただし、ディーラーでは修理ではなく交換で対応するケースが一般的と言えます。
バンパーのへこみを修理する方法は「自分で直す」または「プロに依頼する」の2通りです。へこみ修理は、傷のみの場合に比べると難易度が上がりますが、自分で修理することも不可能ではありません。ただし、きれいに仕上げるには一定の技術が求められるため、失敗を避けたい方はプロに任せるのが良いでしょう。
一般的な板金修理は、主にボディなどの金属の修理を指します。基本的な修理の流れは大きく変わりませんが、バンパーは樹脂製のためへこみを直す手法は同じではありません。ここでは、板金修理の基本的な流れとバンパーのへこみ修理の特徴についてまとめました。
板金修理には、簡易板金と本格板金の2種類があります。新車に近い状態への修復を目指す普通板金は、簡易板金よりも複雑な工程が必要です。板金修理では以下の工程で進めます。
最初の段階は塗装の除去です。普通板金では美しい仕上がりを得るために広範囲の塗装を取り除きますが、簡易板金ではへこみ周辺のみの塗装を除去します。
へこみの修復は、損傷の度合いによって作業内容が異なるでしょう。普通板金では内装を外して内部からたたき出すことがありますが、簡易板金では外部からへこみ箇所を引っ張ります。
バンパーのへこみ修理は、簡易板金の対象外とされているのが一般的です。車に装着したまま作業するのは効率が良くないことから、取り外して修理を行います。
金属と違い樹脂製バンパーの多くに使用されているポリプロピレンは熱可塑性があり、熱することで柔らかくなることが特徴です。特性上、デントリペアと呼ばれる手法は不向きであり、へこみを戻す方法も一般的な板金とは異なります。
バンパーのへこみが比較的浅い場合、DIYによる修理が可能です。市販のカーケアグッズを活用すれば、費用を抑えながら手軽にへこみを修復できるでしょう。ここでは、DIYでバンパーのへこみを修理する際のメリットとデメリットについて解説します。
DIYによるバンパー修理のメリットは、修理代を抑えられることです。修理に必要なアイテムの購入費用のみで済むため、コストをかけずに車をきれいな状態に変えられます。
DIYによるバンパー修理のメリットは、都合の良いタイミングで修理できることです。プロに依頼した際、すぐに修理してもらえなかったり預かり修理になったりする場合があります。DIYなら自分のスケジュールに合わせることができるため、車を使わないときにゆっくりと作業可能です。
DIYによるバンパー修理のデメリットは、時間と労力がかかることです。また、修理に十分な時間や手間をかけても、初めてのDIYで思い通りに仕上げるのは簡単ではありません。
バンパーのへこみ修理ではパテ埋めや塗装作業などの複数の工程があり、各作業で技術が必要となります。失敗のリスクについても、考慮しておくことが大切です。
プロによるバンパー修理は、品質にこだわりたい方に適しています。修理に関する専門的な知識や技術を持っているため、美しい仕上がりを期待できるでしょう。ここでは、プロにバンパーの修理を依頼する際のメリットとデメリットについて解説します。
プロに修理を依頼するメリットのひとつは、仕上がりの美しさです。バンパー修理に適した道具には、個人でそろえるには高価なものもあります。プロは必要な道具を十分にそろえており、経験と知識があるため高いレベルでの修理が可能です。また、工場によっては塗装専用のブースを用意しており、整った環境での修理が期待できます。
また、車のボディは経年劣化によって色があせてしまうため、新車時のカラーを塗布しても同じ色にはなりません。プロに修理を依頼した場合は、色の変化にも対応してもらえるでしょう。
プロに修理を依頼する際のデメリットは、DIYに比べてコストがかかることです。へこみの程度や依頼先によって費用は異なるため、プロに依頼する際には、事前に見積りを幾つかもらっておくと良いでしょう。
バンパーのへこみが大きい場合は、修理よりも交換したほうが安く済むケースもあります。ただし、バンパーを交換する場合は5万円~10万円程度、高級車や輸入車の場合は10万円以上かかることも少なくありません。
軽度なバンパーのへこみについてはDIYによる修理も検討できます。ただし、今後売却する予定がある方は、車の価値を下げてしまう恐れがあることを踏まえて判断しましょう。ここでは、バンパーのへこみを自分で修理する3つの方法とデントリペアが可能かどうかについて解説します。
ひとつ目はへこみのある箇所を熱するという方法です。バンパーに使われているポリプロピレンは、一定の温度まで加熱されると柔らかくなる性質があります。ドライヤーやヒートガンなどで温めることで、へこみを元の形に戻すことが可能です。
ただし、バンパーに熱を加える際には温度調節が重要です。ポリプロピレンは160℃以上になると溶け出してしまいます。ヒートガンは最大で600℃に達するため、慎重な取り扱いが必要になるでしょう。
2つ目はハンマーやドリーを使用してへこみを直す方法です。へこみの箇所に熱を加えて柔らかくしたら、裏側からハンマーでたたいたりドリーと呼ばれる金敷工具で押し出したりすることでへこみを元に戻せます。
道具を使わずに手で押し出すこともできますが、素手で触れると熱く感じることがあるため、手袋を履くなどしてやけどに注意しましょう。
3つ目はパテ塗りでへこみを修正する方法です。大きなへこみをパテだけで成形するとトラブルが起こりやすくなるため、なるべく別の手法で元の形に戻してから、戻しきれなかった凹凸を少量のパテで成形していきます。
パテを使うときには、気温や用途に合わせて選ぶのが重要です。パテを塗る際、表面がでこぼこになっても構いません。パテ塗りが終わった後にサンドペーパーを使用して表面を磨き上げます。
デントリペアとは、傷のないへこみに対してパテや再塗装をせず修理する方法です。カー用品店では修理キットが販売されているため、利用を検討している方もおられるでしょう。しかし、不可能ではないものの、デントリペアは樹脂製バンパーには不向きです。
理由として、樹脂製のバンパーは金属に比べて、折れや変形が戻りにくいことが挙げられます。また、樹脂は柔軟に変形することから、裏から押し出した際に塗装が耐えられず、割れたり剥がれたりしやすいためです。
バンパーのへこみをプロに依頼して修理してもらう場合、基本的な知識を備えておかなければ期待通りの仕上がりにならないこともあります。また、損をしないためにも事前確認と十分な相談が重要です。ここでは、バンパーのへこみを修理する際の3つのポイントについて解説します。
板金修理には、簡易板金と本格板金の2つのプランを用意しているお店が多くあります。簡易板金のメリットは軽度な傷やへこみに限定することで、修理時間が短くリーズナブルな価格で修理できるという点でしょう。
しかし、バンパー修理の場合は傷のみを対象とし、へこみは簡易板金の対象外になっていることが一般的です。バンパーのへこみ修理は、本格板金での作業となることを押さえておきましょう。
バンパー修理をディーラーに依頼する場合、時間やコストがかかりやすい傾向があります。自社工場を持たないディーラーが多いことが理由のひとつです。
自社工場を持たないディーラーに板金修理を依頼した場合、外注での対応になるため中間マージンが発生したり、日程調整に時間を要し修理期間が長くなったりしやすいと言えます。
ディーラーに修理を依頼する上でコストを抑えたい方や修理を急いでいる方は、板金塗装工場が併設されているディーラーを選ぶのが良いでしょう。
契約内容によっては、バンパー修理における車両保険の利用が可能です。条件を満たしていれば修理にかかる費用を補償してもらえるため、費用の負担なく修理ができます。
一方で、車両保険を利用する際には翌年度以降の割り増しに注意が必要です。修理にかかる費用と割り増し保険料を比較して検討することが大切と言えます。保険の利用でお悩みの方は、修理費用の見積りを依頼してから保険会社と相談すると良いでしょう。
イエローハットでは、バンパーの傷・ボディのへこみをリーズナブルな価格で効率的に損傷した箇所を修理できるワンプライスクイック鈑金をご提供しています。ここでは、ワンプライスクイック鈑金の魅力や来店のご予約方法についてまとめましたので、ぜひ利用をご検討ください。
ワンプライスクイック鈑金は、手ごろな価格と質の高い補修が特長です。フロントバンパーにできた傷の場合、1ハンド(15cm×15cm以内)の修理は22,000円(税込)~となっています。フロントバンパーに生じたへこみについては、本格的な板金作業で確実に修復可能です。また、ドアやフェンダーに1ハンドの傷(15cm×15cm以内)とへこみがひとつ(5cm×10cm以内)ある場合は、45,100円(税込)~となっています。
上記の価格は2023年12月現在の価格です。上記の価格は一例となりますので、金額は異なる場合がございます。実際のお見積りは現車を確認した上で、ご提示させていただきます。
イエローハットでは、ワンプライスクイック鈑金や本格的な板金の見積り予約がWEB上で完結するため手軽です。予約フォームでお車や希望する店舗を選択し、氏名や電話番号などを入力すると簡単にご予約をお取りできます。
また、コールセンターへのフリーコールでも予約できます。イエローハットのお店でお見積りご提示後、ご納得いただければ施工の日程をご予約いたしますので、ぜひご利用ください。
近年ではポリプロピレンなどの合成樹脂を使用したバンパーが一般的であり、へこみが生じた場合には通常の板金とは異なる方法で修理します。バンパーの修理はDIYでも可能ですが、失敗のリスクを考慮するならプロに依頼するのが良いでしょう。
イエローハットでは、ワンプライスクイック鈑金や本格板金によるバンパーの修理を実施しています。WEB上での見積りの来店予約に対応していますので、お気軽にご利用ください。