COLUMN
鈑金・塗装修理について解説
車の前後に設けられたバンパーは、ぶつけた衝撃でへこみが発生することは珍しくありません。へこみを修理する方法は幾つかありますが、熱湯を使用する手法が効果的なのか気になる方もおられるのではないでしょうか。
このコラムでは、バンパーのへこみ修理における熱湯の有効性と、それ以外の手法について紹介します。熱湯を使用する上で注意しておきたいポイントについても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
バンパーのへこみを元に戻す方法として、熱湯が効果的だという情報を耳にしたことがある方もおられるでしょう。ここでは、熱湯でへこみを補修できるのか、仕組みやプロが用いる一般的な修理方法について解説します。
バンパーに限らず、へこみを元の形状に戻す際、熱湯を使用する方法はある程度の効果が期待できます。ただし、目安となる損傷の程度は、へこみの大きさが10cm未満で深さが5mm程度に収まる場合です。また、折れ目のような角がなく、塗装に割れが発生していないことも確認した上で、DIYを実施するか判断しましょう。
多くのバンパーはポリプロピレン樹脂でできているため、熱湯で温めることで柔らかくなり成形しやすくなります。金属製パネルの場合は温めてから急激に冷やすことにより、元に戻る力が働くことを期待できるでしょう。イメージとしては、シンクに熱湯を流した際に、鉄板から音が発生する現象と似ています。
一般的に使用されているポリプロピレン樹脂製のバンパーであれば、融点は約160℃といわれています。そのため、熱湯は100℃以下と考えるとバンパー自体に影響はないと考えられるでしょう。
しかし、フロントグリルなどのパーツには、ABS樹脂をはじめとするその他の素材が使用されることもあります。ABS樹脂は連続耐熱温度が70~100℃程度であるため、一時的に熱湯がかかるだけであれば問題がない可能性もある一方で、影響が出る可能性も否定できません。
この他にも、塗装や内部のセンサーなどに影響がないか、自身で判断する必要があります。
バンパーのへこみを修理する際、プロは熱湯を使用しません。基本的な修理の流れをチェックしてみましょう。
まずはバンパーを車体から取り外します。これは、作業性をアップさせるのが主な目的です。次に、加熱用の道具を使用して柔らかくした上で、大きな変形を押し出すなどして元に戻します。ここで、傷の修理や元に戻り切らなかったへこみ部分にパテを塗って表面を成形する流れです。
そして足付け作業と脱脂を行います。その後、サフェーサーを塗布して乾燥させる工程です。乾燥後に面を再度整え、中塗りと上塗りを実施して塗装していきます。塗装が乾いたら完成です。
バンパーに熱湯をかけても、へこみが直らない場合は、他の手段を検討しましょう。損傷状態によっては、温めるだけでなく押し出したり引っ張り出したりする必要があります。ここでは、バンパーのへこみを直す熱湯以外の方法について紹介しますので、参考にしてください。
バンパーのへこみ部分を温めるには、熱湯以外に家庭用のドライヤーを使用する方法があります。家庭用のドライヤーは、100℃~110℃の熱風を作り出すことが可能です。熱湯と違い徐々に温められますが、一箇所に当て続けると加熱しすぎてしまうため注意しましょう。
プロは工業用ドライヤーとも呼ばれるヒートガンを使用して熱風を発生しますが、数百度の高熱を発生するため、バンパーに使用されているポリプロピレン樹脂を溶かす可能性があります。DIYの使用にはリスクが高いと言えるでしょう。
熱湯をかけることにより、へこみが直ることもありますが、同時に押し出したり引っ張ったりする方法が一般的です。温める作業は樹脂を柔らかくするためで、裏側からハンマーでたたくなどして補修する方法や、吸盤を使用して引っ張り出すと効果的に修理できます。
ただし、裏側から押し出したりたたいたりする場合は、作業スペースを確保するためにバンパーの脱着が必要です。表側から引っ張り出す場合は、へこみ部分に適した形状の吸盤が必要になることを押さえておきましょう。
バンパーのへこみを修理する際に、熱湯を使用する場合は注意点を押さえておくことが大切です。プロは基本的に実施しない方法であり、あくまでも自己責任で行う方法となります。ここでは、熱湯を使用した場合の悪影響について解説しますので、参考にしてください。
熱湯を一時的にかけたとしても問題がないといわれてはいますが、悪影響を及ぼさないと保証されているわけではありません。熱湯をへこみ部分だけにかけることは難しく、正常な箇所の塗装に影響を及ぼすことも考えられるでしょう。高温は塗装を劣化させる要因になりかねません。失敗すると修理が広範囲になり、修復の難易度が高まります。
その状態でプロに依頼すると、より高額な修理費用が発生するでしょう。また、きれいに補修できなかった場合は、車の価値が下がってしまう点にも注意が必要です。これらのリスクを考慮して、自己責任で実施することになります。
バンパーがへこむような衝撃を受けた場合、見た目では分からない他の部分に不具合を抱えている可能性があります。例えば、フロントバンパーをぶつけた場合にヘッドライトの光軸に狂いが発生することもあるのです。また、自動ブレーキなどの安全機能に関わるセンサーにズレが生じ、正常に機能しないことも考えられます。
したがって、熱湯でへこみを修理できたとしても、一度プロに点検を依頼することが大切です。プロに修理を依頼すると、先進装備のセンサーやカメラの有無に応じて、バンパー脱着後にエーミングと呼ばれる調整作業を実施することが必須となっています。安心して車を運転できることから、プロに依頼することも検討しましょう。
熱湯を扱うへこみの修理では、火傷をしないよう注意しましょう。熱湯が足などにかからないよう気を付けることが大切です。
また、熱湯によって熱くなったバンパーを直接触ると、火傷するかもしれません。押し出す作業などでバンパーに触れる場合は、手袋を着用するようにしましょう。もしくは、押し出すための道具を用意することをおすすめします。
バンパーのへこみが自然に直るケースはほとんどないと言えるでしょう。ただし、真夏の炎天下によってバンパーが熱せられた場合は、熱膨張により直るケースもあるようです。強い太陽光を浴び続けると80℃程度まで温度が上がることから、試してみるのもひとつの方法と言えます。
樹脂製バンパーは、金属製パネルと違い錆びることはありませんので、真夏の時期であれば修理を検討しつつ様子を見てみるのも良いでしょう。
バンパーのへこみ修理をDIYで実施する前に、一度プロに見積り依頼して判断することをおすすめします。お店によって異なりますが、へこみの場合はおおよそ3万円~4万円で修理可能です。
ただし、DIYを実施して失敗した場合など、損傷が大きいと交換となるケースもあります。その際、車種によっては10万程度かそれ以上かかることもありますので、事前に見積りを取ってからDIYを検討することが大切です。
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バンパーのへこみは、熱湯をかけることによって修理できる可能性があります。ただし、リスクも考慮することが大切です。DIYでは自己責任となる他、きれいに直すのは容易ではありません。まずはお店で見積りを取ってから、検討することをおすすめします。
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