COLUMN
タイヤ交換ついて解説
スタッドレスタイヤがなぜ冬の路面で効果を発揮できるのか、気になる方もおられるでしょう。スタッドレスタイヤには素材やブロックパターンなど、さまざまな技術が取り入れられています。
このコラムでは、スタッドレスタイヤが冬の走行において効果を発揮できるシーンと、その理由について詳しく解説します。最後までお読みいただくことで、スタッドレスタイヤの交換時期や注意点について把握できるでしょう。
目次
現在、日本で主流となっているスタッドレスタイヤが開発された経緯について解説します。以前は冬においてスパイクタイヤが使用されていましたが、今ではほぼ見かけることがありません。なぜ、スタッドレスタイヤが普及しスパイクタイヤが使用されなくなったのかといった疑問も解決できるでしょう。
冬用タイヤは、雪道や凍結路の走行を想定したタイヤのことで、スタッドレスタイヤはその種類のひとつです。冬用タイヤには他にも、後述するスパイクタイヤやウィンタータイヤがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。
冬用タイヤの中で、スタッドレスタイヤは日本でもっとも選ばれているタイヤです。高速走行を想定したウィンタータイヤはスピードレンジが高い海外で使用されている傾向にあります。スパイクタイヤについては豪雪地帯で装着されますが、日本では基本的に舗装路を走ることが許されていません。
スパイクタイヤとは、タイヤの接地面に金属のピン(スタッド)を埋め込んだタイヤのことで、別名スタッドタイヤとも言います。雪道や凍結路を効果的に引っかくことができますが、舗装路ではスタッドが路面にダメージを与えてしまうため、スタッドを廃止したスタッドレスタイヤが生み出されました。
スパイクタイヤの使用が禁止された背景には、道路へのダメージだけが原因ではありません。アスファルト舗装を走行した際に発生する粉塵が問題となったのです。そのため、現在は法律により、指定された区域で積雪や凍結がある場合か、消防車や救急車など認められた車両しか使用できないようになっています。
スタッドレスタイヤは、大きく分類すると3つのシーンに強い特性を持っているため、冬の滑りやすい路面で効果を発揮できます。効果を発揮するシーンとは、「低温下」「雪上路面」「凍結路面」です。ここでは、この3つの観点からスタッドレスタイヤの効果について解説します。
タイヤに使用されているゴムは、温度の低下とともに硬くなることをご存じでしょうか。ゴムが硬くなるほど路面上の凹凸に対して密着性が悪くなり、摩擦力は下がってしまいます。そのため、冬の走行では滑りやすくなってしまいますが、スタッドレスタイヤは夏用タイヤと異なるゴムの配合にすることで、低温下でも柔らかさを維持することが可能です。したがって雪道や凍結した路面で夏用タイヤよりグリップ力を発揮しやすくなっています。
スタッドレスタイヤが夏用タイヤよりも雪道で効果を発揮できるのは、トレッド面の溝の深さやブロックの形状が異なるためです。
溝に関しては、新品の夏用タイヤが8mm程度に対して、スタッドレスタイヤは10mmほどと深くなっています。これにより、雪を踏んだ時に雪の柱を形成して圧力をかけ、その雪柱を蹴り出すことで高いグリップ力が得られるのです。これを「雪柱せん断力」と言います。
また、ブロックの形状については、夏用タイヤは角(エッジ)が少ないのに対して、スタッドレスタイヤは細かい切り込み(サイプ)を施すなどして多くなっています。そのため、積雪路面を効果的に引っかくことが可能です。
凍結路面いわゆるアイスバーンは、冬において最も滑りやすい道路環境と言えます。凍結路面で滑る大きな要因は、車の走行による圧力などにより溶け出した水分です。走行中にタイヤが水分の上を滑走してしまうと、制動距離が伸びたり、曲がれなかったりします。
スタッドレスタイヤは、このような凍結路面に対応するため吸水性能を高めており、タイヤが路面を捉えられるよう設計されています。そして、サイプを入れることにより形成されたエッジで氷を引っかき、グリップ力を得ているのです。雪道よりも制動距離は伸びがちですが、夏用タイヤよりも凍結路面で効果を発揮できます。
冬の走行で活躍するスタッドレスタイヤですが、凍結路面が滑りやすいことに変わりはないので、注意点を押さえておくことが大切です。また、万能だと思われがちなスタッドレスタイヤですが、暖かい時期の使用には適していません。ここでは、スタッドレスタイヤの使用における4つのポイントを解説します。把握しておくと冬を安全に乗り切ることにつながるでしょう。
スタッドレスタイヤはアイスバーンでも効果を発揮しますが、車は重量があるため思い通りに走行することは困難です。アイスバーンの走行では車速を抑えることがポイントで、凍結しやすい場所ではあらかじめ速度を落としておくようにしましょう。
凍結の可能性が高い場所は、日陰やトンネルの出入り口、橋などがあり、どれも路面温度が低くなる傾向にあります。徐行程度の速度で慎重な操作を行うと、スリップする可能性は低くなるでしょう。
タイヤチェーンは、冬に常備しておきたいパーツのひとつです。スタッドレスタイヤよりも雪道や凍結路面に強く、装着することで安全性が高まります。スタッドレスタイヤでは登坂できない場合や豪雪時、凍結の恐れがある場合に使用すると良いでしょう。
ただし、タイヤチェーンは舗装路の走行に適していません。耐久性のない商品であれば破損してしまうこともあります。また、種類によっては乗り心地も悪くなるため、通常はスタッドレスタイヤで走行し必要に応じてタイヤチェーンを装着すると良いでしょう。
冬以外の季節において、スタッドレスタイヤの燃費性能やグリップ性能は夏用タイヤよりも劣る傾向にあります。燃費性能が低い点については、スタッドレスタイヤのゴムの柔らかさが影響し、転がり抵抗が大きいためです。
また、乾燥路面での制動距離は夏用タイヤより伸びやすく、グリップ力が低いという特徴を押さえて走行することが大切です。また、排水性能も低いため、雨天時の滑りやすさには特に注意しましょう。
スタッドレスタイヤには、雪道や凍結路でグリップ力を得るために柔軟性を高めたゴムが使われています。このような特性を持つため、摩擦力の高い舗装路面で摩耗しやすく、夏用タイヤよりも寿命が短めです。
また、冬の路面に合わせてトレッドパターンやブロック形状が設計されているため、舗装路面を走行した際にロードノイズの大きさが気になるケースがあることも押さえておきましょう。
スタッドレスタイヤへいつ頃交換すればいいのか、迷っている方もおられるでしょう。交換のタイミングを逃してしまうと、初雪時に焦ってしまいます。ここでは、スタッドレスタイヤを履くおすすめのタイミングについて解説します。安全性を高めるためにも、ぜひ参考にしてください。
スタッドレスタイヤは雪が降る前に交換することが、安全面で重要です。気象庁のWEBサイトで初雪の過去のデータを調べてみましょう。
タイヤメーカーの公式サイトでも、履替え時期の目安を公開している場合があるため、お住まいの地域の情報を確認してみてください。これらの情報を参考にし、初雪の1ヶ月前に交換することを推奨します。
スタッドレスタイヤへの交換時期が遅れると、作業を請け負うお店が混みがちになり、多くの待ち時間が発生する点がデメリットです。特に初雪が降った直後は、タイヤ交換が多くなる傾向があるため注意しましょう。
また、新品のスタッドレスタイヤを購入する場合、交換時期が遅いほど在庫切れのリスクが高まります。スムーズにスタッドレスタイヤを履くためにも、1ヶ月前を目安に余裕をもって交換することが大切です。
昨シーズンに使用し保管していたスタッドレスタイヤへ履替える際は、車へ装着する前に点検することが重要です。タイヤは保管環境によって、劣化が予想以上に進行している場合があります。また、長期間保管していた影響で、自重により変形しているケースもあるのです。
装着前に点検することで、エア漏れや異常に気づくことができます。空気圧を調整しつつ、全体的にチェックしてみてください。
装着しているスタッドレスタイヤの効果が感じられなくなってきたら、劣化や摩耗が進行しているかもしれません。新品のスタッドレスタイヤへ交換を検討されている場合は、ぜひイエローハットのオンラインショップを利用してみてください。
また、イエローハットでは、履替え作業の予約がWEB上で行えます。ここでは、イエローハットの特長をご紹介します。
イエローハットなら、シーズンオフ時のタイヤ履替え作業を専用のWEBページから予約可能です。予約の際に店舗を訪れる必要がなく、いつでもどこでもご依頼いただけます。予約日の確認や変更、キャンセルをしたい場合もWEB上で完結するため便利です。
また、WEB予約にはメリットがあります。予約当日、店頭で受付を済ませていただければ作業開始までの待ち時間が発生しないため、時間節約が可能です。作業予約専用のページを用意していますので、ぜひご活用ください。
イエローハットでは、オンラインショップからもタイヤの注文を受け付けています。タイヤと同時にタイヤ&ホイールセットも取りそろえており、豊富な選択肢の中から選択可能です。
注文は画面の指示にしたがって選択していくだけの簡単な作業です。商品の取付けについては、全国約700店舗のイエローハットから、最寄りの店舗を選択できます。
イエローハットでは税込2万円以上のタイヤ4本セット、もしくはタイヤ&ホイール4本セットを購入していただいた方に、無料でアフターサポートを実施しています。サービス特典は2つあり、ホイールナットの増し締め点検とタイヤローテーションです。
新品のスタッドレスタイヤを履いた場合は、慣らし走行が終わった後に増し締め点検をご依頼ください。また、タイヤローテーションは5,000km走行毎の実施がおすすめです。
スタッドレスタイヤは「低温下」「積雪路面」「凍結路面」というシーンで効果を発揮する性能を持っています。冬において最適な選択肢のひとつですが、タイヤチェーンよりも効果は劣るため、万能ではない点には考慮して過信しすぎないようにしましょう。
イエローハットでは、スタッドレスタイヤの履替え作業をWEBからも予約可能です。購入に関しては、ぜひオンラインショップを利用してみてください。豊富なラインアップから車に合ったタイヤが見つかり、スムーズに交換を終わらせられるでしょう。
ネットで注文・店舗で取付け