HOME > コラム > 車検コラム > 車検費用って抑えられる?車検の点検項目や重要性を解説

COLUMN

車検費用って抑えられる?車検の点検項目や重要性を解説

車のコンディションを良好に保つために、国は車検を通して車の状態を定期的にチェックすることを定めています。車検を受ける際には点検・整備以外にもさまざまな費用がかかりますが、具体的な内訳や点検項目について疑問をお持ちの方もおられるでしょう。

そこでこのコラムでは、車検の前に押さえておきたい情報を詳しく解説します。費用の内訳や点検項目の詳細が分かると、適正価格を見極める際に役立つでしょう。後半では、車種によって異なる車検費用の相場もご紹介します。
※下記情報は2020年12月以前の情報となります

車検は車を良好な状態で維持するためにも重要

車を快適に乗り続けるためには、一定期間ごとに車検を受ける必要があります。車検は車の状態を確認するだけでなく、問題があれば修理をするタイミングが分かる重要な検査です。車検を受けることは公道を運転する上では義務であるため、基礎知識と必要性について理解を深めてください。車検にかかる費用にも触れながら詳しく解説します。

車検について

一定の要件を満たす二輪車や四輪車に対して、定期的に実施するよう義務付けられているのが車検(自動車継続検査)です。自家用の軽自動車と普通自動車は新車購入の3年後と、以降2年おきの実施が定められています。

車検時でチェックするのは、保安基準を満たしているかという点です。基準に達していない場合はその点を改善し、再検査をする必要があります。

車検切れの状態で公道を走るのは、道路運送車両法違反です。違反者にはマイナス6点、30日間の免許停止処分、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の刑事罰が科されます(2020年11月時点)。


車検費用について

車検を依頼したときにかかる費用の内訳は、大きく分けて2つの項目があります。車種や加入する保険期間によって決まる「法定費用」と、車のコンディションによって変動する「車検基本料」です。

  • 法定費用:税金や自賠責保険料、検査手数料
  • 車検基本料:点検・整備や修理にかかる費用

法定費用は一律で決まっているので、車検の総額を左右するのは車検基本料です。車検基本料は、ディーラーやカー用品店など依頼先の価格設定によっても変動します。


車検費用の内訳【法定費用】

車両重量で金額が決まる税金や、加入の義務がある保険料は「法定費用」に含まれます。車検を申請するための手数料も、明確な金額が決まっている法定費用のひとつです。
 
法定費用は車検の依頼先や手段に関わらず一律で発生する費用であり、「最低限かかるコスト」として把握しておきましょう。法定費用項目について、3つの項目に分けて解説します。

自動車重量税

車の重量によって金額が決まるのが「自動車重量税」です。3年または2年の期間に対して課税されます。以下は、経過年数13年未満の普通自動車(2年自家用・エコカー対象外)における自動車重量税額です(2020年11月時点)。

  • 501kg~1,000kg:1万6,400円
  • ~1,500kg:2万4,600円
  • ~2,000kg:3万2,800円
  • ~2,500kg:4万1,000円
  • ~3,000kg:4万9,200円

経過年数13年未満の軽自動車(2年自家用・エコカー対象外)における自動車重量税額は6,600円です。普通自動車は500kg毎に税額が上がりますが、軽自動車は重量に関わらず定額となっています(2020年11月時点)。

所有している車がエコカー減税の対象に含まれる場合、上記から減税が適用されます。免税対象のモデルであれば課税されません。


自賠責保険料

公道で車を運転する全てのドライバーに加入が義務付けられているのが「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)」です。保険料は、契約期間によって金額が決まっています。離島など一部地域を除いた普通自動車の契約期間と保険料は以下の通りです(2020年11月時点)。

  • 12ヶ月:1万3,410円
  • 13ヶ月:1万4,090円
  • 24ヶ月:2万1,550円
  • 25ヶ月:2万2,210円

軽自動車の契約期間と保険料は以下の通りです(2020年11月時点)。

  • 12ヶ月:1万3,210円
  • 13ヶ月:1万3,870円
  • 24ヶ月:2万1,140円
  • 25ヶ月:2万1,780円

保険料は、車検のタイミングと重なるよう24ヶ月分または25ヶ月分を支払うケースが多く見られます。保険料は定期的に変わり、2020年4月1日以降の契約では、それ以前よりも約16%安くなりました。


検査手数料

車検の際、検査を申請するために検査手数料を支払います。車種や限定車検証(限定自動車検査証)の有無によって異なる費用です。以下を参考に、具体的な金額を押さえておきましょう(2020年11月時点)。

  • 指定整備車:1,000円~1,200円
  • 小型車以外の持ち込み:1,800円(限定車検証の提出がある場合は1,300円)
  • 小型車の持ち込み:1,700円(限定車検証の提出がある場合は1,300円)

検査手数料は現金ではなく、印紙を購入・提出するのが原則です。車検代行を依頼する場合は、購入したり貼り付けたりといった作業も一任できます。


車検費用の内訳【車検基本料】

車検基本料は、車検の依頼先や車のコンディションによって大きく変動します。まずは、費用の内訳と基本的な目的を理解しておきましょう。点検や整備にかかるコストだけでなく、車検の代行を依頼する手数料の存在も重要です。こちらでは、2つのポイントに分けて解説します。

24ヶ月定期点検費用

ディーラーやカー用品店などに車検を依頼すると、車検基本料の中に24ヶ月点検費用が含まれるのが一般的です。車の故障や事故を未然に防ぐために行う点検であり、消耗品や劣化品があれば交換をします。公道を安全に走れるかどうかを点検する車検とは異なる作業です。

「ユーザー車検」を選ぶ場合は、24ヶ月点検だけをお店に依頼するか、自身で行うかの2択になります。相応の専門知識や技能が求められるため、できるだけお店に任せられると安心です。


車検代行手数料

一般的に、車検を依頼すると代行手数料がかかります。車検を受けるために必要な手続きの代行を依頼するための事務手数料です。

「ユーザー車検」をする場合にはこの車検代行手数料は不要になりますが、全ての手続きを自身で行う必要があります。忙しい方や慣れていない方は手間と感じてしまうかもしれませんので、できるだけお店に任せられるとスムーズです。


車検の点検項目

車検の検査場では、登録情報からコンディションまでさまざまな項目を確認します。公道を走る上で必要な基準を満たしているかを確認する大切な検査であるため、具体的な点検項目を把握しておきましょう。こちらでは、点検項目を8つに分けて詳しく解説します。
(※各数値は2020年12月時点のものとなります。)

車と車検証が一致するか

初期段階でチェックするのは「車の同一性」です。検査の申請時に提出した車検証と、車に打刻された車台番号が一致しているかを確認します。一致していない場合、その後の検査には進めません。車を知人から譲り受けたなどの理由で名義が違う場合は「代理人」扱いになるため、委任状が必要です。

また、同一性の確認にはエンジンを不正に改造していないかを確認する作業も行います。エンジンの形式や排気量が違っていたら、「構造変更申請」など必要な手続きを行わないと車検は通りません。


灯火類やワイパーなど外回りの検査

灯火類は正しく作動するか、ホイールナットはきちんと締まっているかなど、外回りの検査を行います。例を挙げると次のような検査です。

  • 灯火類(ヘッドライトやテールライトなど)の動作状況
  • ワイパーやクラクションが正常に動くか
  • ホイールナットが緩んでいないか
  • 発煙筒の有無や有効期限の確認

外回りの検査は、ワイパーを動かしたり左右前後のウインカーをつけたりと、前方・後方ともに細かくチェックする工程です。


安定した走行ができるか

安定性を確かめるために、サイドスリップ検査を実施します。ハンドルを真っすぐの位置に保ったまま、安定して走行できるか判断する検査です。1m直進し、左右にどの程度ずれたかを確認します。

大規模な改造を行ったり、事故などでぶつかったりしたことがある車の場合、安定性が損なわれているかもしれません。ずれる範囲が広いほど危険性が増すため、厳密に誤差を計測します。


フットブレーキとサイドブレーキに異常がないか

ブレーキ検査は、フットブレーキとサイドブレーキをチェックします。操作通りに車を制御できるか判断するための工程です。電光掲示板に発進やブレーキの指示が表示されたら、内容に従って操作します。操作時はしっかりとブレーキを踏み込み、問題なく動作すれば終了です。

合格基準に満たなかった場合は、ブレーキパッドが劣化していたりワイヤーが伸びていたりする可能性があります。たとえ車検が通っても、ブレーキの効きが悪いと感じている場合は念入りに確認したいポイントです。


メーターと実際のスピードの誤差は正常範囲内か

スピードメーターの検査は、運転中に表示される速度が実際のスピードと一致しているかを確認する工程です。検査用のローラーに車を乗せ、40km/hまで加速します。タイヤの車軸に取り付けてあるセンサーが回転数を読み取る仕組みです。


ヘッドライトの光軸や明るさは適正か

ヘッドライトの光量と光軸は基準値内か、10m先を照らしたときの量と向きをチェックします。原則、ロービーム(すれ違い前照灯)を基準に行う検査です。目視では判断しづらいため、専用の機器(ヘッドライトテスター)がデータを取ります。異常がある場合、光軸の修正やライトの交換といった対応が必要です。


排気ガスの濃度は正常範囲内か

環境汚染を防止するため、排気ガスの検査も実施します。車が排出する一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の濃度を計測する検査です。排気ガステスターという専用の機器を使い、アイドリング状態を維持しながら検査を行います。合格値は、一酸化炭素1.0%、炭化水素300ppmです。

整備不良やエンジンの劣化などにより、基準値を超える濃度になっているかもしれません。放置すると故障につながることもあり、環境面・性能面の両方にダメージを与える恐れがあります。


オイル漏れやボルトのゆるみはないかなど下回りの検査

ブレーキやライトなどの検査を終えたら、最終段階で下回り検査を行います。検査官が車の下から、次のような異常がないかをチェックする検査です。

  • オイルが漏れていないか
  • ボルトが緩んでいないか
  • ドライブシャフトブーツの劣化は正常範囲内か
  • 下部から確認できるパーツが正常に備わっているか

車検を通すために乗車している人が検査官の指示にしたがってブレーキをかけたり、ギアを上げ下げしたりと、各部位を操作します。下回り検査が終わると、目視や動作確認における検査は終了です。


車検時の法定点検は56項目ある!

24ヶ月点検の検査項目数は56項目です。車検時の検査内容よりも多く、チェックするパーツの数や範囲も多岐にわたります。基本的な動作確認に加え、以下も重要なチェックポイントです。

  • ハンドルの操作具合
  • ブレーキを踏み込んだときに生じる床版との隙間
  • ホースやパイプの取り付け状態
  • タイヤやホイールの状態
  • 点火プラグの状態
  • 冷却装置の水漏れ
  • 車枠や車体の緩み・損傷

検査項目数が多いのは、「安全基準を満たしているか」よりも、「故障や事故を未然に防げるか」に重きを置いているためです。


車種別の車検費用の相場

すでに車を所有している方や今後購入を検討している方は、具体的な車検費用をシミュレーションしてみましょう。点検や整備にかかる費用は依頼先や車の状態によって異なりますが、法定費用なら試算することが可能です。軽自動車やコンパクトカー、ミニバンをピックアップして、具体的な項目と費用をご紹介します。

N-BOXやタントなどの軽自動車の場合

軽自動車の車検に必要な法定費用のうち、自動車重量税は原則一定です。N-BOXをはじめエコカー減税の対象となっているモデルも多いため、減税率を把握した上で計算しましょう。13年以上所有すると、税金の区分が変わることも覚えておきたいポイントです。

  • 自動車重量税(エコカー減税対象外):6,600円
  • 自賠責保険料(24ヶ月契約):2万1,140円
  • 検査手数料(持ち込みの場合):1,400円

法定費用の目安は、合計で2万9,140円です(2020年11月時点)。こちらの費用は車検を受ける場所によって変動しないため、自身の車の法定費用がいくらになるのかあらかじめ計算できます。


フィットやアクアなどのコンパクトカーの場合

車両重量が1,001kg~1,500kgのコンパクトカーは、普通自動車として取り扱われます。税金だけでなく、自賠責保険料や検査手数料も変動する点に注意が必要です。以下は、エコカー減税対象外のケースを想定した法定費用です。

  • 自動車重量税(エコカー減税対象外):2万4,600円
  • 自賠責保険料(24ヶ月契約):2万1,550円
  • 検査手数料(持ち込みの場合):1,700円

費用全体の目安は4万7,850円です(2020年11月時点)。コンパクトカーの中でも、車両重量によっては5万円を超えるケースもあります。


ステップワゴンやヴォクシーなどのミニバンの場合

車両重量がコンパクトカーよりも重くなるミニバンは自動車重量税が高くなるため、全体のコストが上がります。以下は1,501kg~2,000kgの車を想定した法定費用の内訳です。

  • 自動車重量税(エコカー減税対象外):3万2,800円
  • 自賠責保険料(24ヶ月契約):2万1,550円
  • 検査手数料(持ち込みの場合):1,800円

合計の目安は5万6,150円です(2020年11月時点)。なお、普通自動車では車両重量以外の条件が同じなら自賠責保険料や検査手数料は同額です。

車検費用を抑えたいときはどうすればよい?

車検は信頼できるお店に依頼したいものですが、担当者に全てを一任するのではなく、車検費用を節約するためにも整備内容の選択には積極的に関わってみてはいかがでしょうか。
 
必要最低限の点検に絞ったり、部品交換が必要となったときに社外部品を選択したりするのも有効な方法です。どの方法があるのかスタッフと一緒に選べると、考える負担も少なくなるのではないでしょうか。


車検費用を抑えたい方はイエローハットへ!

車検費用をできるだけ節約したい方は、ぜひイエローハットのスタッフへご相談ください。ご希望の予算を踏まえた上で、満足度の高いプランをご提案します。お客様のご希望に沿ったコースやカー用品店ならではの部品の豊富さ、アフターサービスの充実度が強みです。車検費用を抑えられる具体的な理由をご紹介します。

予算に合わせて事前に相談できる

イエローハットでは、ご予算に応じた整備・交換部品の選択が可能です。品質の高さで選ぶことも、コスト重視で選ぶことも、両方のご要望に対応できます。

対話重視である点も強みのひとつです。整備が必要な箇所は事前に提案し、ご納得いただいたうえで実施します。「車検に関わる最低限の整備だけで済ませたい」というオーダーもお気軽にご相談ください。予算に合わせて柔軟に対応いたします。


車検後も安心の長期保証サービス

イエローハットでは、車検後24ヶ月までの故障を無償で修理する長期保証サービスをご用意しています。国産車なら修理金額に上限はありません。(※加入時の保証料金は有償となります。)

保証内容は「エンジン機構」「動力伝達機構」「エアコン機構」「電装装飾品機構」と多岐にわたり、ハイブリッド車を手厚く保証する「ハイブリッド特約」もあります。予算やご希望に合わせて組み合わせ可能な点もおすすめできるポイントです。


まとめ

車検は、国で定められた重要な検査です。車検時に行うことが多い24ヶ月点検には、未然に故障や事故を防ぐための目的があります。車種や所有年数によって費用が変動する項目もあるため、事前に見積もりを出しておくと安心です。

車検の依頼先をお探しの方は、ぜひイエローハットへご相談ください。お見積り・ご相談は、フリーコールまたはWEBから申し込みが可能です。24ヶ月の保証サービスもあり、車検後も快適なカーライフをサポートいたします。

車検WEB見積り コチラ