HOME > コラム > 車検コラム > 車検に受かるタイヤの溝はどのくらいの深さ?基準と摩耗に対してできる対策

COLUMN

車検に受かるタイヤの溝はどのくらいの深さ?基準と摩耗に対してできる対策

車を継続して運用するには車検は無視できません。車検に受かるためには車のさまざまな部分に目を向ける必要があります。タイヤの溝も車検のチェック項目のひとつですが、何に注意すればよいのか分からない方もおられるのではないでしょうか。

そこでこのコラムでは、車検に通るタイヤの基準や摩耗に対する対処法をご説明します。車検に受かるタイヤの溝の基準やタイヤを長持ちさせるコツが分かる内容です。

車検にタイヤの溝が関係する理由

車検ではさまざまな項目をチェックしますが、タイヤの溝の状態も検査項目のひとつです。タイヤの溝は保安基準が設けられており、基準を満たしていなければ車検に通りません。こちらでは、車検にタイヤの溝が関係する理由について解説します。

安全性に影響する

タイヤの溝は走行時の安全性に影響を与えます。摩耗や劣化したタイヤ、傷がついたタイヤでは安全性を確保できないため、定期的にタイヤ交換をしなければなりません。

新品のタイヤには十分な深さの溝がありますが、使用していると道路との摩擦で次第にすり減り、ブレーキ性能やハンドリング性能が低下します。溝が浅いと発生しやすいのが、濡れた路面とタイヤの間に水の膜ができるハイドロプレーニング現象です。ハンドルを取られて車体がスリップする危険があります。


道路運送車両法違反による罰則

タイヤの状態は車の安全性に関わるため、保安基準が設けられています。保安基準に適合しないタイヤでは公道を走行できないことにご注意ください。

溝の深さが保安基準に満たないタイヤで公道を走行すると道路交通法違反となり、罰則が科されることがあります。罰則は違反点数2点の加算、普通自動車は9,000円の罰金です(2021年4月時点)。溝の状態は定期的にチェックして、すり減っていたらタイヤを交換してください。


車検に通るタイヤの溝の深さは?

車検ではタイヤの溝の深さの明確な合格基準が設定されています。スムーズに車検を通すには、溝の深さがどの程度残っていればよいのか把握することが大切です。こちらでは、車検に通るタイヤの溝の深さやスリップサインの確認方法をご説明します。

タイヤの溝の合格ライン

タイヤの溝の深さの合格ラインは、車種によって異なります。走行する道路が一般道路の場合は同じですが、高速道路は摩耗しやすく、車種に応じて個別の基準が設けられているためご注意ください。以下の表で車検におけるタイヤの溝の深さの合格ラインを車種別にご紹介します(2021年4月時点)。

一般道路
乗用車・軽トラック 1.6mm以上
小型トラック 1.6mm以上
大型トラック・バス 1.6mm以上

スリップサインの確認方法

タイヤの溝の深さが一般道路の保安基準1.6mm以上かどうかを知るには、タイヤのスリップサインを確認します。スリップサインは法的な使用限界を示す目印で、1箇所でも出ていると車検を通りません。

スリップサインはタイヤの側面にある「△」マークの延長線上の溝の間にあり、多くのタイヤでは全周で4個~9個ほど付けられています。新品のタイヤであれば、溝の深さは約8mmです。


スタッドレスタイヤで重要な役割を担うプラットホーム

降雪地域だけでなく積雪・凍結道路では、スタッドレスタイヤをはじめとしたすべり止めの措置を取るように義務付けられています。スタッドレスタイヤは雪路や凍結路といった足を取られやすい悪路でも駆動力や制動力を路面に伝達できるのが特徴です。

スタッドレスタイヤは通常のタイヤのスリップサイン以外にも「プラットホーム」というサインを備えています。プラットホームはタイヤの溝が5割以下になると露出し、冬用タイヤとして使用限界に達していることを知らせる仕組みです。


車検前に確認を!タイヤの溝を計測する方法

スリップサインやプラットホームは、あくまで「整備不良」と判断される法的な基準で、安全に走行できる基準ではありません。車を安全に運用するには、スリップサインやプラットホームが出る前にタイヤを交換する必要があります。

タイヤの溝を計測するには、摩耗計を用いるのが一般的です。摩耗計を溝に差し込んでゲージを確認すれば、現在の溝の深さが分かります。この際、スリップサインやプラットホームは避けて計るのがコツです。


摩耗を最小限に!タイヤの溝を長持ちさせる方法

タイヤは消耗品であるため、必要であれば交換する必要があります。しかし、経済的な面を考慮すると、なるべく長持ちさせたいとお考えの方が多いのではないでしょうか。こちらでは、タイヤの溝を長持ちさせるポイントを5つご紹介します。

空気圧を調整する

タイヤは内部に空気を入れることで機能する部品です。定期的に空気圧をチェックして、適正な空気圧を維持することを心掛けてはいかがでしょうか。きちんと空気圧を保つことでタイヤの負担を軽減し、無駄な摩耗を抑えられます。

空気圧が適正でないと、センター摩耗やショルダー摩耗といった偏った摩耗を招き、使用限界が早まるため注意が必要です。空気圧をチェックし、必要であれば空気を注入して調整します。


アライメント調整をする

アライメントとは並列や整列を意味します。アライメント調整とは、タイヤの取り付け具合を調整するものです。ボディに対してどのような角度でタイヤを装着されているかを確認し、走行によって少しずつずれていく装着状態を調整すれば、本来のバランスを取り戻せます。

アライメントが狂っていると車が真っすぐに走行できません。また、タイヤの偏った摩耗や内減りを招きます。ハンドルを取られたり曲がりにくくなったりといった症状も出るため、定期的にアライメントをチェックすることが大事です。


ローテーションをする

タイヤの摩耗速度は、装着している位置によって異なります。駆動輪ほど摩耗しやすいため、フロントドライブはフロントタイヤ、リアドライブはリアタイヤのほうが早く摩耗するのが一般的です。

したがって、ローテーションをしないまま同じ位置に取り付けたままだと特定のタイヤだけ摩耗が進み、交換時期が早くなります。目安として約5,000km走行したらタイヤの装着位置をローテーションすることで、摩耗を均一化してタイヤの寿命を延ばすことが可能です。


「急」のつく動作を控えた運転をする

急発進や急停止といった動作はタイヤに負担をかけて寿命を縮めます。可能な限りスムーズな運転を心掛けて、タイヤに負荷を掛けないのがポイントです。

荒い運転は安全面から見ても推奨できません。緩やかに発進して早めにブレーキを掛ける、段差があるときは速度を落として丁寧に走行するといったことを意識すれば、車だけでなく人の安全を守ることにもつながります。


保管方法に気を付ける

タイヤを長持ちさせるには、保管方法にも気を付ける必要があります。タイヤの保管場所は日光や雨が当たらない風通しの良い場所が適しているため、適切な場所を探してみてください。

保管する際は、タイヤの空気を半分ほど抜いて遮光性と防水性のあるカバーを掛け、立てて並べることがポイントです。重ねて保管する場合、変形を防ぐためにホイールを付けたままにすることをおすすめします。


溝以外にも!車検に通らないタイヤの特徴

車検に受かるには、溝の深さ以外にもさまざまな部分に目を向ける必要があります。タイヤの溝以外が原因で車検に通らないことも珍しくありません。事前に対策するためにも、車検でチェックされるポイントを把握してください。こちらでは、車検に通らないタイヤの特徴をご説明します。

ひび割れや傷がある

ゴム製品のタイヤは、劣化が進行するとひび割れが起きたり脆くなって傷が入ったりすることがあります。このような状態は危険であるため、早めに交換をご検討ください。

ひび割れや傷があるタイヤは強度が低下し、タイヤが破裂する「バースト」を起こしやすい状態です。走行中にバーストが起こると車をコントロールできなくなり、周囲を巻き込む大きな事故に発展する危険性があります。


変形している

タイヤにはゆがみやこぶのような膨らみといった変形が表れる場合があります。タイヤが変形すると劣化や偏摩耗が促進されて事故の原因となるため、気付いたらすぐに交換してください。

タイヤのゆがみを放置するとバーストのリスクもあるため、変形したタイヤを使い続けるのは大変危険です。「この程度なら大丈夫だろう」と油断せずに、速やかに対処することを心掛けてください。


タイヤ交換をするときに確認しておきたいポイント

タイヤを交換する際は、いくつか確認したいポイントがあります。知らずに交換すると、不具合が生じたり求めていたタイヤではなかったと後悔したりするかもしれません。こちらでは、タイヤ交換の際に注意したいポイントとしてサイズと性能の2点について解説します。

サイズは合っているか

タイヤには車ごとに適切とされているサイズがあり、サイズ不一致のタイヤを装着するとトラブルの原因になります。車の種類によって適切なタイヤサイズは異なるため、車にマッチしたタイヤを選ぶことが大切です。

適切なタイヤのサイズは純正タイヤで確認できます。タイヤの側面に表示されたサイズを参考に、同サイズのものと交換するのが基本です。例えば、「215/45 R 18 93W」と表記されていた場合、「タイヤ幅215mm・偏平率45%・ラジアル構造・内径18インチ・最大負荷能力650kg・最高速度270km/h」の規格であることを示しています。


性能は求めているものか

タイヤは車の走行性能に影響を与える部品です。販売されているタイヤは快適性能を重視したタイプや燃費性能を向上させるタイプと特徴はさまざまで、タイヤ選びによって車の乗り心地は大きく変わります。

「音が静かなタイヤを選びたい」「グリップやハンドリング性能を重視したい」といった、ご自身が求めているビジョンを明確にしておくことがタイヤ選びのポイントです。


車検もタイヤもイエローハットに相談しよう!

車検やタイヤのことでお悩みの方は、イエローハットにご相談ください。イエローハットには専門知識を持つスタッフが多数在籍しており、お客さまの要望に沿った最適なタイヤをご提案できます。車検のことで不安なことがある際も、遠慮なくお声掛けください。

タイヤの取り扱い種類が豊富

イエローハットはタイヤの取り扱い種類が豊富です。国産の低燃費タイヤやスタッドレスタイヤ、ミニバン専用タイヤといったバラエティ豊かな品ぞろえで、ご要望にぴったりのタイヤが見つかります。

イエローハットグループ専売の低コストで高品質を実現した国産ベーシックタイヤもあるため、費用を抑えてタイヤを新調したいとお考えの方もぜひお問い合わせください。


車検時にタイヤ交換を依頼できる

イエローハットはタイヤの販売だけでなく、車検も実施しています。車検時にタイヤ交換の依頼も承っているため、「タイヤが滑りやすくなった気がする」「何年も同じタイヤを使っているのでそろそろ交換したい」とお考えの方は、ぜひイエローハットの車検をご利用ください。

豊富な種類の中から燃費重視や価格重視といった好みやコストに合ったタイヤ選びができるのが大きな強みです。車検のお見積りはWEBフォームとフリーコールで受け付けています。


まとめ

車検に通るにはタイヤの状態に気を配る必要があります。ひとつでもスリップサインが出ていて、溝の深さが足りないと判断されると車検は通りません。したがって、事前のチェックが大切です。タイヤにひび割れや変形があっても車検に通らないため、保管方法にもご注意ください。

イエローハットでは、タイヤの販売や交換だけでなく車検も承っています。車検のお見積りやタイヤに関する相談はWEBフォームかフリーコールをご利用ください。

車検WEB見積り コチラ