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車検のヘッドライト検査項目とは?通過基準や不合格になる要因なども解説

2015年にヘッドライトの検査基準が変わったことで、車検に不合格となる車が続出していることはご存じでしょうか。新しくなった検査基準では、各測定対象につきこれまで以上に厳格な規定が設けられているため、しっかりと対策をしておかなければなりません。
このコラムでは、車検のヘッドライト検査項目や通過基準、そして不合格になる要因などについて解説します。

ヘッドライトの車検項目

2015年9月1日より車検におけるヘッドライトの検査基準が厳格化したため、不合格になる車が急増しています。費用を抑えるためにユーザー車検を実施して、ご自身でヘッドライトのバルブを交換するケースで特に顕著であると言われています。
具体的に検査基準のどこがどのように変わったのでしょうか。ここでは、4つの項目から明らかにしていきます。

測定対象

最も大きな変更点は、測定対象がこれまでのハイビーム(走行用前照灯)からロービーム(すれ違い用前照灯)へと切り替わったことです。変更の元々の始まりは、ヘッドライトに関する保安基準が見直され、1998年以降に製造される車のヘッドライトがそれまでのハイビームからロービームを基準に設計するようになったことにあります。
ただ、当初は新基準で製造された車がまだ少なく、またロービーム対応の検査機器の普及が進んでいなかったこともあり、経過措置としてハイビーム基準での検査が認められてきました。しかし、新基準の適用から17年が経ち、今では新基準適合車が大半を占め、かつ新基準検査機器の設置も格段に進んだため、車検での検査基準がロービームへと完全移行することになりました。


光軸の位置

新基準では、光軸、すなわち光が照らす方向についての検査が厳しくなっています。ロービームでは、ハイビームとは異なり対向車や先行車を眩惑しないように上方向を照らす光をカットしています。このカット部分と照射部分との境目をカットオフライン(明瞭境界線)と呼び、さらに運転席から見て左側にいる歩行者をよく照らせるように、カットオフラインが途中から左に切れ上がる形で設計されています。
検査では、カットオフライン上の左上がりの開始点、すなわちエルボー点が規定の位置に置かれているかが厳しくチェックされます。エルボー点の位置がズレると、正確なカットオフラインが出ず、走行時の周囲への悪影響から事故を誘発しかねないためです。
なお、ハイビーム基準の1998年8月31日以前製作車については、これまで通りハイビームで検査を実施します。


光量

光量については、ロービームの中心から既定の位置に設定される「光度測定点」の明るさを、専用のテスターを使って測定します。
光量の単位を「カンデラ」と呼び、バルブ自体の明るさではなく、バルブの光がリフレクターなどに反射した時の照射範囲の明るさを表しています。ちなみに光量には「ルーメン」という単位もありますが、こちらは光源、すなわちバルブから放たれる光の量を表す全く異なる概念です。


色の基準

ヘッドライトの色については、保安基準に「白色であること」という規定があります。具体的には、平成17年12月31日以前製作車が白色または淡黄色かつその全てが同一、そして平成18年1月1日以降製作車については白色に限ることとされています。(2021年7月時点)測定は検査員の目視により行われるため、基準改定後に製造された車であれば「白く見えるライト」で車検に臨む必要があります。この時に参考になるのが、光の色を表す「ケルビン」という単位です。ケルビンの数値が低いと黄色く見え、逆に高くなるほど青味がかかっていきます。


ヘッドライト検査に合格する条件

車検をクリアするためには、どのようなことに気をつける必要があるのでしょうか。ここでは、検査に合格するための条件について詳述していきます。

エルボー点の位置の正確性

前述のように新基準による車検では、正確な光軸を出すためにエルボー点の位置が厳しく問われます。検査では、前方10mを照らした時のエルボー点の位置をみて、適正な範囲にクリアに映し出されていれば問題ありません。適正範囲はロービームの中心の高さにより2パターンあり、以下の通りです。(2021年7月時点)

・地面から1m以下の場合
上下:中心を通る水平線より2cm~15cm下
左右:それぞれ27cmの枠内

・地面から1mを超える場合
上下:中心を通る水平線より7cm~20cm下
左右:それぞれ27cmの枠内

光軸は、バルブ交換や外部からの強い衝撃によりズレることがあります。車検前にはエルボー点の位置をご自身で確認して適正範囲に収まるよう調整しておくか、お店で点検してもらうことをおすすめします。


規定以上の光量

車検のヘッドライト検査では、光度測定点における明るさを測定します。光度測定点の位置はロービームの中心の高さにより2パターンあり、以下の通りです。(2021年7月時点)

・地面から1m以下の場合
中心から下に11cm、左に23cmの箇所

・地面から1mを超える場合
中心から下に16cm、左に23cmの箇所

そして、カットオフラインが明瞭に出ない場合には、光度が最大になる地点の値を測定します。ただし、この時の光度測定点は、照明中心を通る垂直線より左側、かつ水平線より下方に位置している必要があります。光度測定点で、1灯につき6,400カンデラ以上の明るさが出ていれば合格となります。(2021年7月時点)


適切なヘッドライトの色

一般にヘッドライトが白く見えるのは3,000~7,000ケルビンとされています。しかし、目視で測定される車検では、いくら白く見えるとされるケルビン値の範囲内であっても、当日の検査員が白く見えると判断してくれなければ合格することはできません。検査員に黄色味に受け取られないためには、ケルビンの下限値を上げておくことをおすすめします。


ヘッドライトで車検落ちしてしまう要因

ここでは、ヘッドライトで車検落ちしてしまう要因を2つご紹介します。

レンズに黄ばみや曇りが生じている

レンズに黄ばみや曇りが生じていると、光が遮られて十分な光量を照射できなくなるため、基準を満たす光量が得られず車検に落ちてしまう可能性が高くなります。また、エルボー点をはっきりと出すことができなくなれば、光軸検査で引っかかる恐れも出てきます。レンズは事前に交換したり、定期的に磨く・清掃したりするなどのメンテナンスを実施することが大切です。


ヘッドライトの検査を通過するポイント

ヘッドライト検査を通過するためにまず大切なことは、車検落ちとなる要因を取り除いておくことです。ここでは、前項の内容を踏まえ、ヘッドライト検査を通過するためのポイントを2つご紹介していきます。

適切なヘッドライトを使用する

適切なヘッドライトを使用していないと、ヘッドライト検査に通過することは難しくなります。そのため、現在使っているヘッドライトの光量や色味に問題を感じておられる場合は、ライトの種類を変えるのも選択肢の1つです。
ヘッドライトの種類には、最も一般的なハロゲンを初めとして、より光量があるバイキセノン、そして近年普及が目覚ましい長寿命かつ低コストのLEDなどがあります。それぞれ特徴が異なるため、お店に相談するなどして車に合ったタイプを選んでください。
なお、製品に書かれている「車検対応」、あるいは「保安基準適合」の意味は、あくまでバルブ自体が基準を満たすにとどまることを示すものです。車に取り付けた時の光量または色味が、基準をクリアしているか必ずチェックしてください。


ヘッドライトのレンズを磨く・交換する

十分な光量、そして適切な光軸を出すためには、ヘッドライトのレンズのメンテナンスを実施することが大切です。ウエスなどでレンズ全体を磨くだけで、軽い汚れであれば十分落とすことが可能です。また、頑固な汚れや紫外線による黄ばみがみられるときには、市販のヘッドライトクリーナーを使う手もあります。
他方、レンズの劣化が著しかったり、ひび割れたりしている場合には磨くだけでは対処が難しいため、お店などで交換する必要があります。


車検のことならイエローハットにお任せ!

保安基準の見直しにより、車検時にはヘッドライトの検査にこれまで以上の準備をしておくことが不可欠になっています。シビアになった検査基準に的確に対応していくためには、車検に関して信頼できるお店を見つけ出すことが何より大切です。
ここでは、車のことならなんでもご相談いただけるカー用品店イエローハットの車検をご紹介します。

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こうした質の高い車検を約165店舗の指定工場(民間車検場)と約250店舗の認証工場、そして総勢1,500名以上の国家資格整備士からなる態勢で、日々実施させていただいております。(2021年7月現在)


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カー用品店ならではの豊富な品揃えを活かした、ご予算やニーズに応じた整備・交換部品のカスタマイズが可能であることもイエローハットの強みです。
例えば車検時にタイヤの溝の減りが分かり交換が必要になった場合、イエローハットであればお客様のご予算や好みで選ぶことができます。結果として、お車にかかるトータルの費用を抑える効果が見込めます。


まとめ

このコラムでは、ロービーム基準に切り替わり検査規定がシビアになった車検のヘッドライト検査項目について解説してきました。
初めての車検でヘッドライト検査にご不安をお持ちの方、あるいは交換してあるヘッドライトでどうやって車検を乗り切ったらよいのかご検討中の方など、それぞれにご事情がおありのことと思います。車検にまつわる疑問をお持ちの方は、事前点検からアフターサポートまでをワンストップで提供しているイエローハットにお任せください。

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