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車検と自賠責保険の関係とは?自動車損害賠償責任保険証明書についても解説

車の使用者にはさまざまな義務が課され、その中の1つに「自賠責保険への加入」があります。自賠責保険への加入は必須であり、未加入のまま運転してしまうと処罰の対象となります。そこでこのコラムでは、「自賠責保険」について詳しく解説します。自賠責保険の必要性や任意保険との違いを理解しておけば、いざという時も落ち着いて対応できます。車検との関係性などもご紹介しているので、車検が間近に迫っている方もぜひ参考にしてください。

自賠責保険とは

自賠責保険の正式名称は、自動車損害賠償責任保険(以下:自賠責保険)です。自動車損害賠償保障法に従い、加入が義務付けられています。まずは、自賠責保険について詳しく解説します。

補償範囲

自賠責保険の目的は、車の事故による被害者の救済であり、対人賠償を確保するために加入します。補償対象者は、車の運転者と運行供用者(車の所有者など)以外の「他人」と規定されています。対象は被害者のみのため、運転者(加害者)の怪我、車や物の破損、単独の人身事故(壁に衝突して怪我をしたなど)は、保険金がおりません。対象は被害者の身体的損害に限られ、傷害、後遺障害、死亡のみ有効です。
たとえば、双方ともに過失がある車同士の事故は、それぞれが加害者であり、被害者でもあります。この場合は、双方それぞれの自賠責保険から補償されますが、赤信号無視や被害者側から追突するなど、過失が100%被害者にある時は対象になりません。
また、被害者が運行供用者の場合も対象外です。父親が所有する車で、息子が誤って父親に怪我をさせてしまっても、父親は運行供用者に該当するため対象となりません。


加入期間

加入期間は最短で1ヶ月、最長で37ヶ月です。
新車を購入した場合は、次の車検が36ヶ月(3年)後となります。期間は車検までの36ヶ月(3年)、もしくは37ヶ月(3年+1ヶ月)で契約します。
2回目以降は、24ヶ月(2年)毎に車検を受けなければなりません。そのため、24ヶ月(2年)、もしくは25ヶ月(2年+1ヶ月)で契約しますが、期間はもしもの備えとして1ヶ月多く契約する方がほとんどです。
また、仮ナンバーの取得などで、1ヶ月だけ契約する例もあります。


加入手続きを行う場所

自賠責保険の加入手続きが行える場所は、損害保険会社、車の販売店、車の整備工場、運輸局内の代理店などです。取り扱い場所は、国土交通省が運営する自賠責保険ポータルサイトで確認できます。
運輸局内の代理店でも加入手続きが可能ですが、車検を行っているお店の中には、車検と併せて自賠責保険の手続きを代行してくれるところもあります。どのお店で契約しても金額は変わらないため、任意保険と組み合わせるなどの理由がない限りはどこで加入しても問題はありません。


任意保険との違い

車の保険は大きく「自賠責保険」と「任意保険」の2つに分類されます。
任意保険は、自賠責保険だけでは補えないご自身の怪我や車などに対する保険です。補償範囲は、身体・車・物など多岐にわたります。
たとえば、ご自身の車が破損した時に補償がおりる「車両保険」、他人の車や家などの物損に関する補償である「対物賠償保険」、運転中や歩行中に事故で死傷した時に補償される「人身傷害保険」などがあります。
自賠責保険と任意保険の違いは、加入が義務付けられているかどうかです。「強制保険」と呼ばれる自賠責保険に対し、任意保険はあくまで「任意」なので加入は自由です。補償内容や補償範囲もご自身で設定でき、保険内容で料金が大きく異なります。


車検と自賠責保険の関係性

車検を通すためには、自賠責保険への加入が必須です。ここでは、車検と自賠責保険の関係性についてご紹介します。

車検時に自賠責保険が必要な理由

車検の正式名称は「自動車検査登録制度」です。道路運送車両法により、車の所有者は車検を受けることが義務付けられています。道路運送車両法とは、車の登録、検査制度、整備などを規定する法律です。車検は安全性確保や公害防止などの観点から検査を行い、国が定めた保安基準を満たしているのか確認するために実施されます。
また、自動車損害賠償保障法とは、自賠責保険へ加入させるためにつくられた法律です。自賠責保険未加入の車への罰則、保険金の金額などが記されています。
車検と自賠責保険は、根拠となる法律が異なりますが、車検と同時に自賠責保険を確認することで、車の所有者が法律を守っているかチェックしています。


車検時に支払う自賠責保険の保険料

自賠責保険の保険料は、車の車種や保険期間などに応じて、金額が定められています。自賠責保険は国が定めた強制保険のため、営利を目的としていません。金額は、毎年金融庁が執り行う「自動車損害賠償責任保険審議会」で決定します。そのため、年度で金額が上下することはありますが、お店で変動することはありません。
普通自動車の保険料は、12ヶ月は1万2,700円、24ヶ月は2万10円、37ヶ月は2万7,770円です。軽自動車の保険料は、12ヶ月は1万2,550円、24ヶ月は1万9,730円、37ヶ月は2万7,330円です。ただし、沖縄や離島などの一部地域は、例外的に金額設定が本土とは異なります。(2021年8月時点)


自動車損害賠償責任保険証明書とは

自動車損害賠償責任保険証明書(自賠責保険証明書)とは、自賠責保険に加入していることを示す書類です。加入時に、お店から発行され、車検を行う際は自賠責保険証明書の提示が求められます。

記載されている項目

自賠責保険証明書には、「車台番号」「契約者の住所・氏名」「保険期間」「保険会社名」「車の種別」「保険料収納済印」などが記載されています。
「車台番号」とは、車種や製造場所などの情報が分かるように割り振られた英数字です。番号の規則性は一般公開されていませんが、数桁~十数桁のアルファベットと数字が組み合わさり、車に刻印されています。自動車メーカーが車に刻印するため、変更はできません。車台番号に代わり、「登録番号」が記載されていることもあります。登録番号とは、ナンバープレートに表記されている番号のことです。管轄地域、車種、用途を識別するための情報が記載されています。車台番号とは異なり、車の所有者や住所が変わった際は、登録番号も変更する必要があります。


再発行について

自賠責保険証明書を紛失した、もしくは識別が不可能なほど汚れてしまった場合は、速やかに再発行の手続きを行ってください。再発行の手続きは、加入している保険会社で手続きが可能です。保険会社が不明な際は、加入手続きをしたお店に連絡すると保険会社を教えてもらえます。
再発行に必要な書類は、「身分証明書」「再発行申請書」「印鑑」です。手元に自賠責保険証明書がある時は、証明書も持参してください。再発行の費用は保険会社で異なりますが、無料で再発行できる保険会社がほとんどです。
手続きから再発行までの期間は、およそ1週間~2週間です。必要書類が事前に揃っていれば、窓口で即日発行してくれる保険会社もあります。ただし、再発行の期間中に運転すると、法令違反となるため注意してください。


自動車損害賠償責任保険証明書を提出する際の注意点

ここでは、自賠責保険証明書の取り扱いに関する3つの注意点をご紹介します。

車検の有効期間よりも長くしなければならない

車検の有効期限は満了日の日付が変わるまでです。一方、自賠責保険の有効期限は満了日の正午12時までです。つまり、満了日を同じ日にしてしまうと、車検より先に自賠責保険の有効期限が切れてしまいます。
そこで、仮に整備や手続きに時間がかかっても、自賠責保険の期間に余裕があれば、保険切れが発生するリスクが低くなることから、自賠責保険は車検の有効期限よりも長めに契約するのが一般的です。
また、自賠責保険は1日単位での契約ができません。月単位での加入となるため、新車購入時は37ヶ月、2回目以降は25ヶ月と車検の有効期限より1ヶ月多く契約するのがおすすめです。


記入漏れなどは未加入の扱いになる

自賠責保険証明書に記入漏れや間違いがあった場合は、未加入と同じ扱いになり、車検を受けることができません。住所、氏名、車台番号、保険期間などに誤りがあった際は、早急に訂正してもらう必要があります。
また、保険料収納済印の欄に収納印が押されているか確認することも大切です。保険料が納められた証しである収納印、またはそれに代わるものが記載されていない場合は、保険会社へ連絡する必要があります。
自賠責保険証明書には、契約者の住所や氏名が記載されており、引っ越しや結婚などで住所や氏名が変更となった時や、車を譲渡・売却した時は変更手続きが必要です。
自賠責保険は車に付随する保険なので、仮に名義が異なっていても車検を通すことは可能です。ただし、保険更新の通知は自賠責保険証明書に記載された住所に届いてしまうため、通知が受け取れずに期限切れになってしまう可能性があります。また、事故を起こした際、スムーズに手続きが進まない可能性もあるため、記載事項に変更が生じた場合は速やかに手続きを済ませてください。


証明書は車に積んでおく

公道を走行する際は、自賠責保険証明書の携帯が義務付けられています。未携帯の場合は、自動車損害賠償保障法違反として30万円以下の罰金が科せられます。(2021年8月時点)自賠責保険証明書は車検証と一緒に保管するなど、常に携帯しておくことが大切です。


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イエローハットの車検は、徹底対話のシステムを取り入れています。車検前に点検を行い、ご納得いただいたうえで交換させていただきます。もちろん、車検を進めていく中で追加整備の必要が生じた場合も、必ずご納得いただいたうえで整備をさせていただきます。


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イエローハットの車検は、アフターフォローも充実しております。整備箇所は6ヶ月、または1万kmの整備保証付きです。車検後24ヶ月であれば、故障個所の修理を無償で受けることが可能です。
また、車検中もガソリン代の負担だけでご利用いただける代車特典をご用意しておりますので、車検前から車検後までしっかりサポートいたします。


まとめ

自賠責保険は、自動車損害賠償保障法に従い、加入が義務付けられています。補償範囲は対人事故の被害者のみで、運転者や車は対象外です。自賠責保険未加入、または自賠責保険証明書不携帯のまま運転すると処罰の対象となります。
また、車検と自賠責保険の有効期限には時差があるため、通常は1ヶ月多めに契約します。自賠責保険も含め、車検に関して何かご不明点がありましたら、ぜひ一度イエローハットにお問い合わせください。

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