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車検の保安基準について徹底解説!基準に適合しないケースもご紹介

車をカスタマイズして楽しむ方が増えていますが、車検で「不正改造」と判断されれば不合格となり、元のパーツに戻したうえで改めて車検を受ける必要があります。また、車検を実施するお店によってはカスタムした車の車検依頼を断られるなど、苦労を強いられるケースも少なくありません。そこで、このコラムでは車検の保安基準について解説し、保安基準に適合しないケースを具体的にご紹介します。

車検の保安基準とは?

車検の検査基準となり、またリコールの判断にも使われるのが「保安基準」です。保安基準は道路運送車両法に定められており、車の走行上の安全確保と環境保全を図ることを目的としています。
そして、実際の車検は、この保安基準に沿って進められます。車体サイズや部品の取り付け方・動作、排出ガス基準が守られているかといった基準への適合性が車の各部に渡りチェックされ、1つでもクリアできなければ合格することはできません。

保安基準に不適合となるケース

保安基準に不適合とされるケースで多いものが、整備不良です。エンジンやブレーキの不具合はもちろん、ヘッドライト・ウィンカーなどが点灯しない、クラクションが鳴らない、タイヤの溝が1.6mm未満になっているなどが代表例です。また、エアバッグの不具合といったリコール対象箇所の未整備により不合格になることもあります。
また、不正改造もよくある不適合事由の1つです。規定を超えるカスタマイズを目的とする改造は、不正改造として保安基準不適合となります。例えば、マフラーの取り付け位置が既定の「地面から9cm以上」の高さを確保できていなかったり、フロントガラスに貼られたフィルムの可視光線透過率が70%に満たなかったりといった、検査時の測定で不適合が明らかとなるケースが少なくありません。(2021年10月時点)


保安基準に違反した際の罰則

道路運送車両法では、不正改造の実施だけでなく、不正改造車の走行も禁じられており、違反は罰則や整備命令の対象となります。
まず、不正改造行為には、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。改造については、たとえ車検に通ったとしても、検挙時に警察により不適合の判断を受ければ不正改造の罰則を免れることはできません。
また、不正改造により車が保安基準に適合しない状態にある場合には、使用者に対して必要な整備の実施が言い渡されます。そして、命令を受けた日から15日以内の整備実施と運輸支局などへの現車提示が行われない場合には、最大6ヶ月に及ぶ車の使用停止命令や車検証・ナンバープレートの没収が実行され、50万円以下の罰金が科せられます。(2021年10月時点)


不適合になりやすい箇所

車検では、些細に思われるカスタマイズが保安基準を満たさないものとして判断されるケースが珍しくありません。そこで、ここではカスタマイズ時に不適合になりやすい箇所について解説していきます。

ヘッドライトなどの灯火類

ヘッドライトの光軸や明るさは、車の状態や各種パーツとの兼ね合いによって影響が出やすい項目です。そのため、パッケージに車検対応と書かれたバルブを選んでも保安基準を満たさないことがあります。
また、色に関しては保安基準により白色に限られ、検査員の目視で測定されます。そのため、ケルビン値の高いHIDバルブに交換した場合に、青味が強いとして不適合とされるケースがあるので注意が必要です。
なお、純正品であっても、きちんと点灯しなければ車検には通りません。ブレーキランプなど車両後方にある灯火類は、特に球切れに気付くのが遅れがちなので事前に確認してください。


エアロパーツ

フロントスポイラーやリアウィングといった市販のエアロパーツを正しく装着しないと、不正改造で保安基準不適合になります。車両別に定められた規格を超えるパーツの取り付けについては構造変更の申請が必要ですが、手続きをしていないと不正改造になります。
また、規定範囲内のパーツを購入した場合でも、取り付け方や位置、あるいはパーツの損傷などで規定を満たしていなければ車検は通せません。


タイヤ・ホイール

2017年6月の保安基準改正により、タイヤのフェンダー部分へのはみ出しは10mm未満と規定されました。しかし、ホイールについては適用外で、「前30度・後ろ50度」の範囲がフェンダー内に収まっていないと不適合とされます。


サスペンション

スプリング式サスペンションであれば、しっかりと取り付けられている限り、社外品やローダウンタイプへの交換も認められています。ただし、車高を下げるためにノーマルのスプリングをカットしていたり、錆がひどかったりすると不適合になります。
また、エア式、リーフ式、トーションバー採用のサスペンションを社外品に交換する場合や、異なる種類のサスペンションに交換する場合は、いずれも構造変更届の申請を行ってください。


窓ガラス

フロントガラスや運転席・助手席のサイドガラスに、貼付時の可視光線透過率が70%に満たないフィルムを貼り付けることは認められていません。
また、フロントガラスに検査標章や点検検査済ステッカー以外のステッカーを貼付してあると、不正改造車として取り締まりの対象になります。


シート

シートに関する保安基準の適合性判断のポイントは、安全性が確保されているか否かにあります。この点、スポーツ走行で良く使用されるバケットシートを取り付けたままで車検に通るのかが問題になりますが、可否はバケットシートの種類や車両タイプにより異なります。例えばリクライニング式のセミバケットシートタイプであれば、2ドアや3ドアで後部座席がある車であっても、保安基準適合品で安全・強度面に問題がなければそのままで車検に通すことも可能です。一方、リクライニングが効かず、かつカーボンやFRPの樹脂で背面がむき出しになったフルバケットシートの場合は、基本的に合格が難しくなります。クッション性を備えたシートバックプロテクターを取り付けたり、後部座席取り外しの構造変更申請を行ったりといった対策を、お店と相談しながら行うことをおすすめします。


保安基準適合証と保安基準適合標章とは?

指定工場で車検を受けると、保安基準適合証と保安基準適合標章が交付されます。ここでは、それぞれの特徴や有効期間についてみていきます。

概要

保安基準適合証は、地方運輸局の指定自動車整備事業の認可を受けた指定工場による検査で、保安基準に適合していると判断された場合に発行される書類です。運輸局へ保安基準適合証を提出すれば、車検証の交付を受けられます。
そして、保安基準適合性を証明するものとして、保安基準適合証と一緒に発行されるのが保安基準適合標章です。保安基準適合標章は、新しい車検証が発行されるまで仮の車検証の役割を果たし、有効期間内であれば所持により公道走行が可能になります。そのため、走行時には保安基準適合標章を、必ず前方から見える位置に貼付して表示する必要があります。


有効期間

保安基準適合証・保安基準適合標章共通で、検査の日から15日間が有効期限です。期限が過ぎてしまうと、車検切れと同様に公道を走行できず、改めて車検を受け直さなければなりません。そして、そのままでは車検場はもちろん、検査を実施した指定工場に持ち込むことができないため、臨時運行許可証である仮ナンバー発行の手配等が必要になります。


車検対応と保安基準適合との違い

カー用品店で売られている商品のパッケージに「車検対応品」、あるいは「保安基準適合品」と書かれていることが珍しくありません。ここでは、両者の違いについて解説します。

双方の違い

車検対応品・保安基準適合品のいずれも、車検に通すことができるパーツとして作られ、販売されているものです。したがって、正しく装着している限り、車検に関して問題にされることはなく、言葉の違いを気にする必要も基本的にはありません。
ただし、厳密に言うと、車検対応品が車検、つまり登録が済んでいる車の検査のみに対応するのに対して、保安基準適合品では新車基準を含んだ適合性がクリアできているという違いがあります。


必ず車検に通過できるのか?

車検対応品や保安基準適合品と謳っているパーツであっても、装着する車や装着の仕方によっては不適合とされることがあり、必ず車検に通過できるとは限りません。例えばヘッドライトの色については、検査員の目視により判断されるため、不適合とされる可能性もあります。パーツを選ぶ際にはお店に相談するなど、十分な見極めが大切です。


JASMA認定品とは

マフラーに関しては、「JASMA認定品」を選ぶという選択もあります。これは、日本自動車スポーツマフラー協会(JASMA)による審査基準をクリアした、より高品質・高性能なマフラーとして流通しているものです。
公害防止・安全確保の観点から、保安基準を上回る厳格な審査基準を設定しているため、車検合格はもちろん、地球環境への貢献もできます。


車検のことならイエローハットにお任せ!

スムーズな車検の実施に向けては、カスタムに関する知識に明るく、パーツ交換やかかる費用などを相談しやすいお店を探すことをおすすめいたします。
そこで、ここでは車検のことなら何でもお任せいただけるイエローハットの特徴をご紹介します。

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イエローハットでは、車検に関する疑問やご相談を電話や、インターネットで受け付けています。また、車検のお見積りも無料で承っています。
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車検時のサポート、アフターフォローも充実しています。イエローハットでは、事前にご予約いただくことで車検期間中の代車を無料でご利用いただけます。お客様のご負担はガソリン代のみとなっております。
また、整備実施箇所については車検後6ヶ月または1万kmの整備保証が付けられ、車検から6ヶ月後の無料点検を1回実施させていただいております。
さらに、車検時に保証料金をお支払いいただくことで、長期保証「プライムワランティ」にご入会いただけます。車検後24ヶ月で生じる故障を修理回数無制限、修理金額上限なし(ただし、輸入車の累計修理額は30万円まで)で無償で修理していただくことが可能になります。
※加入時の保証料金は有償となります。
※輸入車の累計修理額は30万円までとなります。


まとめ

車検は、道路運送車両法で定められた保安基準を満たしているかを確認するものです。整備不良はもちろん、カスタムが不正改造と見なされれば保安基準不適合として不合格になります。したがって、車検に通すためには、事前に保安基準を把握したうえで改造を行うこと、そして車検前には実施したカスタムの適合性を再確認しておくことが必要です。
車検に関するご相談、お見積りは、アフターフォローも充実しているイエローハットまでお気軽にご相談ください。

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