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通すだけの車検とは?必要最低限の整備項目についても解説

車検は車に乗り続ける限り定期的に通していかなければならないものですが、毎回費用がかかることから、何とか節約できないかと考えている方も多くおられるでしょう。こうしたニーズを背景に、現在は車検が受けられるお店で整備内容の見直しや料金の多様化が進んでいます。
そこでこのコラムでは、近年利用が伸びている「通すだけの車検」と言われる料金格安タイプの車検が本当にお得かどうか解説します。通すだけの車検の仕組みを理解する一助として本コラムをご活用ください。

通すだけの車検とは

「通すだけの車検」とは、文字通り車検に通すためだけの点検・整備を行うことを言います。車検では、道路運送車両法で定められた保安基準を車が満たしているかどうかが各部に渡り厳しくチェックされます。

しかし、あくまでも検査時点での適合性判断になることから、たとえ部品が劣化・消耗していたとしても、基準さえクリアできていれば整備せずに通すことも可能です。例えば、タイヤは溝が1.6mm以上残っていれば極端にすり減っていない限り問題はなく、エンジンオイルやブレーキフルードなども漏れ以外は検査項目にないため、車検に通すことだけを考えれば交換せずにいても問題ありません。
一般にディーラーや整備工場では、保安基準の最低ラインに縛られることなく、次回車検までなるべく故障せずに走行できるかという観点から点検や部品交換を行っていきます。そのため、点検箇所が増え、消耗部品の交換も早めかつ積極的に行う分費用がかかりがちになります。一方、ガソリンスタンドや車検専門店の一部で頼めることが多い通すだけの車検は、基準クリアに必要な点検や部品交換のみ実施することでコストを安く抑えることが可能です。


通すだけの車検のメリット

通すだけの車検とは、基本的な点検・整備の実施に限ることで費用が安く済む車検ですが、どのような時に利用すると効果的なのでしょうか。ここでは、2つのメリットから考えていきます。


過剰整備を防げる

通常の車検では、お店によっては必要以上の部品交換を実施されて、費用がかさむことがあります。不必要な過剰整備は、車に詳しかったり、車検に慣れていたりすれば防ぐことはそう難しくはないかもしれません。しかし、多くのユーザーにとって必要な整備とそうでない整備との判断は難しく、例えばタイヤやバッテリーといった消耗品の交換を実施すれば、車検費用は一気に跳ね上がります。
この点、通すだけの車検では、無駄に高性能なパーツへの交換をすすめられる心配はありません。基本的に法定の24ヶ月点検を実施しないことから、過剰整備を防ぐことが十分可能です。


費用を安く抑えられる

お店により多少の差はあるものの、最低限の点検料と検査費用だけで済むため、一般に2年毎など短いサイクルで定期的な出費を要する車検の金銭的負担を軽くできます。
特に車がまだ新しかったり、日頃からこまめにメンテナンスしていたりする場合は、車検で整備が必要になることがあまりないため、さほどデメリットを感じずに利用できるかもしれません。加えて、点検に時間がかからない分、即日で車検を終了できることが多く、代車の手配にかかる手間などが省けるメリットもあります。


通すだけの車検のデメリット

最低限の点検や部品交換のみを実施する通すだけの車検では、費用が安い反面、車検後にさまざまな不具合が出てくる恐れと隣り合わせなのもまた事実です。ここでは、利用するにあたって留意しておきたい2つのデメリットを解説していきます。

快適な走行ができない可能性がある

通すだけの車検では保安基準をクリアできる範囲の点検・整備しか実施しないため、車検に合格することはできても、その後快適に走行し続けられるかどうかは分かりません。
通常の車検では、快適な走行に欠かせないさまざまな整備が、2年先など次回車検を見据える形で前倒しで実施されます。予防整備をしない通すだけの車検の場合、エンジン・ブレーキの不調やバッテリー上がり、オーバーヒートなどのトラブルが起きても不思議はありません。また、各所の部品や油脂類の劣化が進み、車自体の寿命を縮めてしまう恐れも高くなります。


交換が必要な場合に費用がかかる

一般に通すだけの車検の料金には、基本的な点検にかかる費用以外の料金は入っていません。そのため、別途整備を要したり部品を交換したりすれば、場合によっては通常の車検よりもコストが高くつくこともあり得ます。通すだけの車検を実施しているお店の中には、車検費用が安い分整備や部品交換の工賃を高めに設定しているケースもあります。
年式が古い、走行距離が多い、あるいは普段あまりメンテナンスしていないなど、車のコンディションが悪く整備が必要になることが予想できる場合は、快適な走行を見越した整備を行うお店に依頼してください。


通すだけの車検で必要な整備項目

通すだけの車検であっても、法定の整備項目について厳しくチェックされるのは通常車検の場合と異なるところはありません。ここでは、実際の検査で必要となる整備項目の中からいくつかをピックアップしてご紹介します。

外観や車内

外観検査や車内装備の検査では、最低地上高やヘッドライトの光軸、ボディ破損の有無や灯火類の点灯状況などがチェックされます。その他にも以下の項目が検査対象です。

  • フロントガラスや運転席・助手席のサイドガラスに貼り付けたフィルムの可視光線透過率が70%以上確保されていること
  • シートベルト警告灯やエアバック警告灯等5種類ある警告灯の全てがエンジン始動後に点灯していないこと
  • 運転席と助手席にヘッドレストが装着されていること(2012年7月以降の登録車)

これらの内1つでも不具合が見つかれば車検に通すことはできません。


下回り

下回り検査では、エンジンオイルなど油脂類の漏れチェックやブレーキの点検、さらにはマフラーからの騒音や排気ガスの漏れがないかなどの点検が行われます。また、ドライブシャフトブーツやステアリングラックブーツといった、ゴム製で破れやすいブーツ類の劣化の有無も検査対象です。検査官が検査台に載せられた車体を下から点検する下回り検査では、放っておくと重大なトラブルに繋がる箇所についての動作確認がメインとなります。


通すだけの車検を行う前にやっておくこと

最低限の点検・検査の実施によりコストが節減できる通すだけの車検ですが、一方ではいざ不具合が見つかり整備・部品交換をするとなると、高い出費を要することになりがちです。そのため、検査対象となる範囲については事前に念入りに点検をして、必要であればしっかりと整備しておくことが大切になります。ここでは、実施前に必ずやっておくべき3つのチェックポイントについて解説していきます。

タイヤの整備

タイヤについては、溝の残り具合とひび割れの有無を確認しておきます。溝はスリップサインが4つの内1本でも出ていたり、残りが実測で1.6mmに満たなかったりすればNGです。また、ひび割れに関しては検査官の目視で判断されるため、亀裂、あるいは破損していると判断されない状態であることが求められます。


ガラスの確認

ガラスについては、フィルムの透過率だけでなく、ひび・割れなどの損傷がないかもチェックされます。目視で行われる損傷判断に向けては、たとえ飛び石による小傷でも甘くみずに補修しておきます。
また、フロントガラスに貼ることが可能なのは、検査標章や点検検査済ステッカーをはじめとする法定のもののみです。もしステッカーなどを貼っているのであれば、専用の剥がし剤を使って取り除いておく必要があります。


外装の灯火装置

車に装備されている以下のライト全般が、きちんと点灯しているかを確認します。

  • ヘッドライト
  • スモールライト
  • ブレーキランプ
  • バックライト
  • ウインカー(ハザードランプ)
  • フォグランプ

なお、新たに解禁されたデイライト(昼間走行灯)は、最近ではドレスアップ目的による装着も増えているものの、本来自車の視認性向上による事故防止を目指すためのものです。デイライトの保安基準に関しては、道路運送車両の保安基準の細目を定める告示 第124条の2(昼間走行灯)に、光度や灯火色から取り付け位置までが細かく定められています。一般的に保安基準の適合性を判断するのは難しいため、装着をお考えであれば専門知識を持つカー用品店などに依頼することをおすすめします。


イエローハットの車検で快適な走行を楽しもう!

定期的に受け続ける必要がある車検では、単にコストの安さを求めるのではなく、信頼できるお店に依頼することが何よりも重要です。ここからは通すだけの車検の利用をご検討中の方に向けて、イエローハットで実施する車検の特徴をご紹介していきます。

豊富な点検項目と点検保証

イエローハットでは、法定点検の56項目、そして日常点検15項目を含む計100項目以上の点検を実施いたします。また、整備実施箇所については車検後6ヶ月または1万kmの整備保証が付けられる他、車検から6ヶ月後の無料点検も1回実施させていただきます。
車の各部を詳細に点検して車検時に必要となる整備を抜け漏れなく行うと共に、車検後も保証や点検を通じて、皆様が快適に車に乗り続けるためのお手伝いをさせていただきます。


徹底対話のシステム

イエローハットでは車検の保安基準にとどまらない詳細な点検・整備を行っていきますが、お客様のご意向を確かめずに車検や点検に伴う整備を実施することはありません。事前にお車の状態を確認し、必要な整備箇所についてお客様に納得いただいたうえで実施しております。
また、追加で整備が必要となった場合も必ずご連絡差し上げて、ご納得・ご了承いただいてから実施いたします。


長期2年保証「プライムワランティ」

加入時に保証料金をお支払いいただければ、長期2年保証「プライムワランティ」をお付けいただけます。次回車検までの24ヶ月で生じる故障箇所の無償修理が可能になるサポートで、修理上限金額なし(輸入車については累積修理金額30万円まで)、修正回数・走行距離共に制限なしでご利用いただけます。
保証項目については電装関係からエンジン・動力伝達機構まで、車の各部からご予算・ご希望に応じて自由に組み合わせていただけます。車検後の快適なドライブに向けてぜひご活用ください。
※加入時の保証料金は有償となります。
※輸入車の累計修理額は30万円までとなります。


まとめ

通すだけの車検を利用すれば、車検にかかる費用を格段に安く抑えることも十分可能です。しかし、快適な走行を次回の車検まで保つためには、単に検査時に保安基準をクリアできているだけでは心許ないのもまた事実です。この点、イエローハットであれば、通すだけの車検にありがちな整備不足や別途でかかる交換費用のご心配なく車検を実施していただけます。車検に関するご相談・お見積りは無料で承っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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